「京町家・近代建築GISデータベースの整備と活用に関するセミナー」開催
12月13日(水)に衣笠キャンパスの歴史都市防災研究センターにて、立命館大学 21世紀COE「京都アート・エンタテインメント創成研究」と立命館大学歴史都市防災研究センター主催で、「京町家・近代建築GISデータベースの整備と活用に関するセミナー」を開催した。
まず最初に、京町家GISデータベースに関して、文学部地理学専攻の矢野桂司教授から、1995・96・98年度調査と、2003・04年度の追跡調査による京町家GISデータの整備と概要について説明があった。そして、花岡和聖氏(立命館大学文学研究科博士課程後期課程)からは、西陣地区を対象に、空間的マイクロシミュレーションを用いた町家変化モデルによる、町家の衰退プロセスのシミュレーション分析が紹介された。
次に、近代建築GISデータベースに関しては、松岡恵悟講師(立命館大学COE推進機構)から、京都市文化財保護課編(2006):『京都市の近代化遺産〈近代建築編〉』などに掲載されている2千を超える近代建築に基づいたGISデータの紹介が行われた。最後に、玉田浩之研究員(京都工芸繊維大学大学院ベンチャーラボラトリー)からは、わが国における近代建築に関するデータベースの経緯と現状が紹介され、WebGISを用いた近代建築情報の配信の実施例が示された。
ディスカッションでは、これら2つのGISデータベースによる、町並み景観の地図化や視覚化、あるいは詳細な分析が、都市計画分野(まちづくりや政策評価など)にうまく機能することに対する期待や、個人情報保護やデータの保守の観点からの、これらGISデータの活用の問題点などが、議論された。セミナーは盛況のうちに幕を閉じた。
|