立命館大学
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アラン・コルバン氏(左)と西川教授(右)の対談の様子

会場の様子

「近現代史の問い−アラン・コルバン教授を迎えて」開催


 1月26日(金)衣笠キャンパスにおいて、先端総合学術研究科シンポジウム「近現代史の問い−アラン・コルバン教授を迎えて」を開催した。

 今回の開催にあたっては2004年11月から先端総合学術研究科による地道な活動・準備を行った。2006年6月からは、外部講師を招いて計3回の事前研究会をおこない、今回の集中講義に備えてきた。本シンポジウムはアラン・コルバン教授の集中講義の締めくくりとしておこなわれたものであり、2005年10月に採択された文部科学省「魅力ある大学院教育」イニシアティブ(大学院GP)における先端総合学術研究科のプログラム「プロジェクトを基礎とした人社系研究者養成」事業の一環としての性格も兼ね備えたものである。

 本シンポジウムはアラン・コルバン教授と西川長夫・立命館大学国際地域研究所教授との対談形式で行った。西川教授はアラン・コルバン教授に対して、1)コルバン歴史学の中で解体されている感覚は、再統合されうるのか、2)コルバン教授の確立した世界(地域性)の研究は他の世界の研究とどのようにつながりうるのか、3)現在進行中のグローバル化の中で植民地の問題をどのように考えるか、またコルバン教授が未来の歴史学を構想する際に植民地問題を構想の中に入れるのかどうか、という3点の疑問を提示した。アラン・コルバン教授はそれぞれのテーマに対して、1)人間の再構築は過去に気質・体質という概念によって試みられたことがある、2)フランスの県や地方には、それぞれ違ったアイデンティティがあり、地域・地方という場合、その区分をどこに求めるかが問題である、3)フランス語には@帝国主義的な領土拡張をさすコロニザシオンと、A植民地支配を肯定的に捉えるコロニアリズムの2つのことばがあるが、この2つには区別が必要ということ、また、フランスの歴史家が複雑な植民地問題を迅速で簡単で分かりやすい傾向にしてしまいがちである、という見解を示した。

 会場では、二人のやりとりを聴きながら、熱心にメモを取る聴衆の姿が見られた。