シンポジウムの様子
討議には、フィールドワークに参加者した学生も加わった |
シンポジウム「今よみがえる京都歴史回廊」開催
1月27日(土)、衣笠キャンパスにおいて文学部が主催するシンポジウム「今よみがえる京都歴史回廊」を開催した。
同シンポジウムは、文学部が取組主体となって申請した「人文学的知の地域還元で変わる歴史都市京都」が2006年度の文部科学省「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)」に採択され、2007年度から「京都歴史回廊プログラム」が開設されることを記念するものである。プログラムの名称は、衣笠キャンパスも位置する京都市北西部の活性化に取り組む産官学地域連携組織「京都歴史回廊協議会」から借りたもので、今後、同協議会の協力も得ながら、インターンシップやフィールドワークを含む専攻横断型プログラムが展開される。
シンポジウムは、木村一信・文学部長による開会挨拶に続き、日本中世史研究の第一人者である五味文彦氏(放送大学教授・東京大学名誉教授)による基調講演がおこなわれた。「中世の政治と文化」と題された同講演では、1000年以上にわたって政治都市として機能した京都の文化が、「川」、「山」、「野」をキーワードにして鮮やかに描き出された。
後半は、「北山杉をめぐる京の人々」をテーマに、過去に地理学専攻の河原典史・文学部助教授がゼミで実施したフィールドワークを題材とした報告と討議がおこなわれた。登壇したのは、京都市文化市民局の村上忠喜氏、北山杉の育林・加工・販売を営む中田治氏、瀧本和成・文学部教授、フィールドワーク参加者の大原千佳さん(文学部2回生)と高田芽さん(京都府立医科大学学生)で、河原助教授の司会によって、北山杉をめぐる地理的、民俗学的、文学的な切り口が示された。学生参加による地域活性化の可能性も、今後のプログラム運営にとって大いに示唆を与えるものであった。
京都歴史回廊協議会に会員登録する一般市民には、京都歴史回廊プログラムの講義科目の聴講(無料)の可能性も開かれており、この点でも大学による地域貢献の新形態として、今後の展開が期待されている。
|