立命館大学
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対談の様子

熱心に講義に耳を傾ける聴講者のみなさん

第4回立命館大学コリア研究センター公開講座「日韓ナショナリズムを越えて」開催


 2月16日(金)衣笠キャンパスにおいて、第4回立命館大学コリア研究センター公開講座が行われた。今回は、韓国の代表的な新聞の一つである東亜日報の東京支社長を歴任した金忠植(キム・チュンシク)氏を迎え、「日韓ナショナリズムを越えて」をテーマに講演を行った。

 講演の中で金氏は、過剰にも映る韓国ナショナリズムの現状の診断とともに、その起源が「植民地支配の歴史のなかで、日本帝国のナショナリズムをいわば模倣する過程のなかで形成された」と指摘。また、現在においても、日韓両国の間には、3点セットともいえる「独島(竹島)」、「歴史教科書」、「(総理大臣による)靖国参拜」の問題をめぐって、双方が自国中心主義の歴史観を基盤とし、後向きになっていると現状について述べ、「日本側のそれが『つくる会』を中心とした右傾歴史観といえるならば、韓国側のそれは『反共親米の現代史を修正しようとする自主とナショナリスティックな感性を刺激する左傾修正主義』ともいえる側面もある」と分析した。更に「小泉政権と盧武鉉(ノムヒョン)政権の対立の裏面にはその2つの勢力の衝突が潜在していて、今後の新しい両国関係の先行きも明るくない。それでも、両国の学者などが参加した『韓日共同執筆歴史教科書』をはじめ、自国のナショナリズムを相対化し、乗り越えようとする動きが出てくるなど希望の目はある」と見解を述べた。

 講演後に行われた本学産業社会学部の黄盛彬(ファン・ソンビン)助教授との対談においては、現実認識を共有しつつ、両国のナショナリズムが、相互に向き合って、互いを必要とする「共謀」の構造が存在するのではないかという問題提起についてさらに議論を深めた。