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会場には多くの聴講者が訪れた

シンポジウム「日本画の変貌〜伝統と近代化のはざまで〜」開催


 2月10日(土)、衣笠キャンパスにおいて、京都府立堂本印象美術館で現在開催中の特別企画展「堂本印象の挑戦―日本画ってなんだろう」の記念シンポジウム「日本画 変貌〜伝統と近代化のはざまで〜」を開催した。

 日本画家・堂本印象氏は、1955年、文学性や説明性の一切を省略し、対象を極限まで整理した内容の斬新な抽象画を描き、美術界を驚かせた。本シンポジウムでは、京都画壇の近代化を踏まえ、その背景を改めて問うことをねらいとした。先端総合学術研究科教授で立命館総合ミュージアム館長である神林恒道氏をコーディネーターとして、基調講演に美術評論家の富山秀男氏、パネリストには、東京藝術大学大学美術館助教授の古田亮氏、立命館大学文学部教授の島田康寛氏、鳥取県立博物館美術振興課長の尾崎信一郎氏を迎えて行った。

 まず基調講演で富山氏が、「日本画の移り変わりは、おもしろく、そして、不可解」と提起した上でそれぞれのパネリストの講演が始まった。古田氏は、フェノロサ・岡倉天心らの革新運動に焦点をあてながら近代日本画の特質を考察し、「一つの表現をとっても、抽象的なものとも言えるし、伝統的なものとも言える。日本画の変遷は、大変複雑である」と語った。また、島田氏は、京都画壇の中において堂本印象が歩んだ道を振り返り、「日本画には、生きるものを見つめるまなざしがあり、当時、芸術家として生きていくためには、自分の人生の捉え方が重要であった」と言及。当時の抽象画と日本画の交流についての考察を行った尾崎氏は、「抽象と具象の超えたところに存在する別の芸術こそが、日本画である」と語った。

 会場には多くの聴衆が訪れ、熱心に耳を傾けていた。