立命館一貫教育推進本部 開設記念シンポジウム「グローバル人材を育てる小中高大院一貫教育」開催
3月17日(土)、衣笠キャンパスにおいて立命館一貫教育推進本部開設を記念したシンポジウム「グローバル人材を育てる小中高大院一貫教育」を行った。一貫教育推進本部は「国際社会に求められる人材育成」を目指して、附属校の特色ある教育展開と附属校・大学間の連携強化を進めるために設立され、2007年度から本格的に活動していく。
第一部では肥塚浩・一貫教育推進本部本部長が立命館の目指す一貫教育について講演した。続いて荒木貴之・立命館小学校教頭が小学校での授業の様子と特徴ある教育についてビデオを用いて事例報告を行った。その後に附属校生が自分の体験・研究について発表を行い、スーパーサイエンスコースに所属する生徒は2006年11月に開催したRits Super Science Fairでの体験について、スーパーイングリッシュランゲージコースの生徒は英語で留学体験やイマージョンプログラムについて、立命館慶祥高の生徒はモルディブでの海外研修についてそれぞれ発表した。
第二部のパネルディスカッションでは、パネリストがそれぞれの視点から一貫教育についての意見交換を行った。飯田健夫・立命館一貫教育推進本部科学技術教育研究推進部門 部門長は、中学・高校の連携に比べて高校と大学の連携はまだ不十分だと指摘し、「高校教育に基礎知識の習得だけでなく、大学教育への『つなぎ』となる基礎知識の応用も導入していくべきだと考えている」と話した。立命館大学卒業生の中村玲子氏は、立命館宇治高校から立命館大学に進学する際にDUDP参加を見据えた進路選択をした経験から、「受験がないことで得意分野や自分の専門性を早くから見つけて高められる」と一貫教育の利点について述べた。竹中宏文・学校法人立命館初等中等教育部部長は「これからの社会に何が必要かを長い目で見通して教育現場に導入できる」と一貫教育に期待をこめながら、一貫教育の中でさらに何を目指すのかを考えていくべきだという課題点も示した。千々布敏弥・国立教育政策研究所研究企画開発部総括研究官は外部組織からの視点で「連携の強化だけではそれぞれの特徴が生かせなくなってしまう可能性があるので、それぞれの特徴を押さえつけてしまわないような連携が必要ではないか」という意見を述べた。また、参加者とパネリストとの意見交換の場もあり、「理系の生徒には英語が苦手な者が多いか」「学校をグローバルな環境にするべきではないか」といった意見が出され、活発なディスカッションが行われた。
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