先端総合学術研究科国際コンファレンス「社会正義と多文化主義」開催
3月24日(土)・25日(日)の2日間、衣笠キャンパスにおいて先端総合学術研究科国際コンファレンス「社会正義と多文化主義」を開催した。本コンファレンスは本学新領域創造研究センター「争点としての正義プログラム」事業の一環として開催したものである。
近年のグローバル化と人口移動の増加を受けて、日本の社会福祉も発想の転換を余儀なくされていることがあげられる。日々の暮らしや職場での他文化性の高まりに配慮することが求められるようになってくるとともに、従来の権利概念や社会規範の見直し作業をしていくことが必要になってきている。そのため、本コンファレンスでは、アジアや欧米から学者を招き、多文化性の実態を明らかにしながら、今後の社会福祉の在り方を議論する場となった。
2日間で日本、アジア、欧米から計12名の研究者・院生の発表があった。西川長夫・先端総合学術研究科教授は「多文化主義の不正義」、ポール=デュムシェル・先端総合学術研究科教授は「平等と承認」、後藤玲子・先端総合学術研究科教授は「多文化社会における社会的選択」、立命館アジア太平洋大学(APU)教授のジェレミー=イーズ氏は「多文化主義と対立する社会主義―ポスト9.11時代の移住と人権について」をテーマに発表・質疑応答を行った。また、先端総合学術研究科大学院生2名もそれぞれ「<法の支配>と潜在能力の縮減―南アフリカ農村女性の事例から」、「統合と差異化―90年代以降に来日した在日フィリピン人の社会関係」というテーマで発表・質疑応答を行った。
会場では、社会正義と多文化主義に関心をもった聴衆が集まった。そして、発表や質疑応答、そして一般討議を聴きながら、熱心にメモを取っていた。
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