特別公開シンポジウム「心理療法におけるエビデンスとナラティヴ」開催
3月21日(祝)、衣笠キャンパスにおいて、特別公開シンポジウム「心理療法におけるエビデンスとナラティヴ」を開催した。この企画は、日本学術振興会 人文・社会科学振興のためのプロジェクト研究事業「ボトムアップ人間関係論の構築」の研究成果発表の一環として実施した。
第一部では、佐藤達哉・文学部教授が「機能主義と文脈主義からみた新しい心理療法の時代の行動療法とナラティヴ:その歴史と展開」をテーマに導入講演を実施。その後、英国アバティ大学教授John McLeod氏の招待講演が行われた。その中でMcLeod氏は、サイコセラピーに言及しながら「感情的で、人間関係に苦しんでいる人は、強い関係を持っていてくれる人を必要としている。例えばそれは、信頼できる人やエネルギーに溢れる人、また共に苦しんでくれる人である」と述べた。第二部では、「新しい時代の心理療法とカウンセリングの発展に向けて」をテーマに、東京大学教授の下山晴彦氏や東京大学大学院助教授の能智正博氏、また立命館大学文学部助教授の武藤崇氏、関西学院大学教授の松見淳子氏らによる講演が行われた。その中で下山氏は、「人間のちょっとした動きを読み取って、そこに介入していく。つまり、コンテクストをどうやって見つけるかが大切である」と述べ、心理療法の発展において重要な物語の役割を解説した。その後、活発な討論が展開され、シンポジウムは幕を閉じた。
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