臨済宗相国寺派管長、金閣寺・銀閣寺住職の有馬頼底氏
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文学部リレー講義「日本文化の源流を求めて」第1回 開催
4月13日(金)、衣笠キャンパスにおいて、文学部リレー講義「日本文化の源流を求めて」を開催した。今回は臨済宗相国寺派管長であり、金閣寺・銀閣寺住職である有馬頼底氏を迎え、「金閣・銀閣と禅の思想」と題し、金閣・銀閣が建立された室町期の歴史から、現在の京都を取り巻く状況まで、幅広い内容で講演を行った。
講義では、現在の日本文化の源流となった足利義満・義政の時代に遡って解説が行われた。茶道をはじめとして華道や香道などの現在の日本に受け継がれている文化のルーツは室町時代となり、禅文化をはじめ、義満が行った日明貿易によりもたらされた中国文化の多くが、現在の日本文化の源流となっていると紹介。また、現在の代表的な日本文化の一つともいえる茶道は、義政によって娯楽から芸術に高められ、「日本文化形成に対する二人の功績は大きく、文化の中心地であった金閣寺・銀閣寺は現在でも日本文化の重要な拠点と言えるだろう」と解説した。
有馬氏は相国寺境内にある承天閣美術館において、開基足利義満600年忌記念として5月に開催される「若冲展−釈迦三尊像と動植綵絵120年ぶりの再会」についても言及し、近年「奇想の画家」として再評価されている江戸中期の画家伊藤若沖と相国寺第113世住持梅荘顕常(大典禅師)との交流に関する興味深い話を披露した。そして最後に、「一に掃除、二に信心」という、実際に掃除を行うことで心のチリを取り払うことが禅の教えであると紹介し、「日本文化の拠点である金閣寺・銀閣寺を、禅の根本道場として禅の思想を伝える場としたい」と締めくくった。
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