大和ハウス工業株式会社CSR推進室・池田圭吾氏
教室の様子 |
法学部キャリア形成科目「社会に生きる法」開講中
2007年度より、法学部では法政特殊講義「社会に生きる法」を開講している。本講義は、法学部の学びから身につけるべき力はなにか、その力は社会のなかでどのように生きているか、またどのように生かすことができるかについて、さまざまな業界で活躍する法学部出身のゲスト・スピーカーの講義を通じて、これらをリアルに理解することによって、自らの進路や、これからの学びへの動機づけとなることを目的としている。今回(5月18日【金】)は、大和ハウス工業株式会社CSR推進室・池田圭吾氏を講師に招き、講義を行った。
池田氏は、住宅営業職について「建築基準法、宅建業法、所有権法、抵当権に関する民法など多くの法律が仕事に関係してくるが、これらについての基本的知識は仕事を続けるなかで身につけることができる」と述べた。しかし、お客様との関係では、法律による建築制限などの説明をする際、単に「法律でこう決まっています」というだけでは納得してもらえず、その法律の存在理由、制限の必要性、その効果などを、相手に理解して、納得してもらえるよう具体的・論理的に説明しなければならない状況もあることを紹介。池田氏は、このような生きたコミュニケーション能力は、法学部での学びのなかで効果的に養われるように思うと述べた。
池田氏は、CSR(企業の社会的責任)が重視される意義について、資本主義が高度に発展した現代社会においては、企業も単に目先の利益だけを追求するだけではなく、企業の存続の永続性、さらには社会の持続的発展に配慮する必要があると指摘した。池田氏によれば、単なる「法令遵守」にとどまらず、法律ができた背景、社会からの要請を理解しつつ、それに応えるべく実践し「企業倫理」を徹底することによって、企業も社会によりよく貢献できることになるという。
最後に、池田氏は、「社会のなかで働くためには、周囲の人と理解し合い、協力しながら仕事をしていく必要があるが、そのためには、自分の考えを論理的に組み立て、相手に伝え合うという真のコミュニケーション能力が必要になるとし、このコミュニケーション能力の基礎にある論理的思考力・表現力を鍛えるうえで、法学部の学びはたいへん役立つ」と述べた。
受講生は池田氏の講義に熱心に耳を傾け、講義後の質問も相次いだ。
本講義では、住友生命保険相互会社、福井県庁、厚生労働省、株式会社オートバックスセブン、大和ハウス工業株式会社、スタントン・チェース・インターナショナルなど、さまざまな官庁や企業から講師を招き、授業を行っている。
<2007年6月28日掲載>
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