大和ハウス工業株式会社京都支店総務経理課課長・松山竜蔵氏
教室の様子 |
法学部キャリア形成科目「社会に生きる法」開講中
2007年度より、法学部では法政特殊講義「社会に生きる法」を開講している。本講義は、法学部の学びから身につけるべき力はなにか、その力は社会のなかでどのように生きているか、またどのように生かすことができるかについて、さまざまな業界で活躍する法学部出身のゲスト・スピーカーの講義を通じて、これらをリアルに理解することによって、自らの進路や、これからの学びへの動機づけとなることを目的としている。今回(5月25日)は、大和ハウス工業株式会社京都支店総務経理課課長・松山竜蔵氏を講師に招き、講義を行った。松山氏は、法学部ならではの「論理的思考力」とはどのようなものかについて焦点を合わせて講演した。
まず松山氏は、ケース・スタディを通じて、実際の事案をもとに複雑な人間関係や事実関係のなかから生じる問題を解決するためには、法的責任とともに、道義的責任を重視すべきこと、ルールを杓子定規に適用するのではなく、皆が納得のいくような解決策を提示すべきことを示した。
また、法学部の学びで養われる能力の中で社会人として生かせるものとして、スキルとものの考え方とに分けることができると説明。スキルとしては、「法律の条文を読むことが苦にならないこと、読み手によって多義的に理解されうるような文章ではなく厳密な言い回しができるようになること、問題の要点を的確に掴み時間の無駄をなくすことなどがある」と述べた。一方、ものの考え方としては、法学部ならではの「論理的思考力」というものがあり、その特性として、「第1に、さまざまな利害が絡み錯綜した事実関係を整理し、問題を明らかにしたうえで解決する力であり、第2に、現実の人間生活のなかで実現可能な解決策を提示することであり、第3に、正義・平等・公平という基本的価値を常に意識し、それに配慮した思考である」と述べた。
受講生は松山氏の講義に熱心に耳を傾け、真剣にノートをとっていた。
本講義では、住友生命保険相互会社、福井県庁、厚生労働省、オートバックセブン社、大和ハウス工業社、スタントン・チェース・インターナショナルなど、さまざまな官庁や企業から講師を招き、授業を行っている。
法学部のHPはこちら
<2007年7月11日掲載>
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