立命館大学
Powered by Google
訪問者別ページへ 受験生 学部 大学院 留学生 在学生 在学生父母 交友 教職員
Profile Headline News Pick Up! Rits Frontline

Pick Up!

 

ワーキング・ウイメンズ・ネットワークの国際・商業部長の越堂静子氏

教室の様子

第2回アドヴァンスト経営学講演会シリーズ 「日本の企業経営とジェンダー・イコーリティー」開催

 6月22日(金)、びわこ・くさつキャンパス(BKC)にて、アドヴァンスト経営学講演会シリーズの第2回目を開催した。今回は「日本の企業経営とジェンダー・イコーリティー」と題し、ワーキング・ウイメンズ・ネットワークの国際・商業部長の越堂静子氏が講演した。
 越堂氏はまず自らの活動について紹介。ワーキング・ウイメンズ・ネットワークの活動を広げるきっかけとなった住友メーカーの男女賃金差別裁判の支援では、国連でのロビー活動から最終的には日本の国会に現場の声が届いたことを踏まえ「国連などの外圧も上手く利用することで和解に至った」と述べた。また現在も、働く女性の地位向上を訴えて国連やILO(国際労働機関)などでも活動している状況を話した。続いて日本企業の取り組みで、「一部の企業が非正規雇用を正規雇用に切り替え始めたことは、ワーク・ライフ・バランスを考える上で大きな話題だ」と言及。そしてジョブシェアリングや、一定期間育児休暇を取得することで給与の大部分を保証する制度など、イギリスやオランダ、北欧諸国などの取り組みを語り、「日本の税金は海外よりも比較的安いものの、生命保険や貯蓄など自分で将来への備えをしなければならず、結果的には負担が高くなる。スウェーデンでは税金は高いものの、出産や老後の生活を手厚く支援する制度がある」と、海外と比較して日本の問題点を指摘した。
 質疑応答では「男性が育児休暇を取得することは法律でも認められ、女性を助けることにもなるのに、なぜ取得する人が少ないのか」との学生からの問いに対し、越堂氏は「人も会社も古い頭のままで、昔の考えが刷り込まれている。そのような考えは法律ができたからといってすぐには変わらないので、声を上げていくことが必要だと思う」と答えた。
 最後に越堂氏は、「仕事人間にならず、みずみずしい感性を持って生活できる人になってほしい。行動すれば何かが変わるかもしれないので、学生のうちにたくさん学び、未来のために頑張ってほしい」と学生にエールを送り、講演会は終了した。


<2007年7月9日掲載>