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茶谷公之氏(左)と藤澤孝史氏(右)

熱心に講義に聞き入る受講生

映像学部リレー講座「クリエイティブ・リーダーシップ・セミナー」第5回目開催

 6月15日(金)、衣笠キャンパスにて、クリエイティブ・リーダーシップ・セミナーの第5回目の講義を開催した。今回の講義では、株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)のコーポレート・エグゼクティブ兼Chief Technology Officerならびにソニー株式会社 CELL開発センター長である茶谷公之氏と、人気ゲーム「パラッパラッパー」シリーズや「SIREN」シリーズを手掛けたSony Computer Entertainment Worldwide Studios Japan Studio 制作2部部長である藤澤孝史氏を迎え、映像コンテンツと先端テクノロジーの融合への軌跡やプレイステーション3(以下PS3)時代におけるゲーム開発の実態などについて、実際にPS3のゲーム映像を用いながら講義を展開した。

 第一部では、まず茶谷氏が冒頭「コンピュータを使ってどうやってエンタテインメントを作るか?」と問題提起し、コンピュータエンタテインメントを構成する4要素のCPU、GPU、ディスク、メモリの重要性を示した。PS3のゲームではゲーム内での映像がよりリアルに再現されており、これを可能にしたのは強力な計算能力を持つCPUを開発したおかげだと茶谷氏は紹介。この大量の計算ができるCPUがあれば、ゲームに登場する多数の人や動物の一つひとつに性質を持たせることができ、並列動作を可能にする。また茶谷氏は「映像表現は『計算』でつくる」と語り、このような技術の発達が映画の特撮やコンピュータグラフィック(CG)でも同時に使われ始め、映画とゲームの関係がより密接になった状況を説明した。
 次に藤澤氏が、「フォーマットフォルダーの制作手法」をテーマに語った。藤澤氏はまず、法令順守の姿勢・社会的責任の重要性を示し、それを踏まえたユーザーとの接点について触れた。「バグでの被害もそうだが、特にゲームでの映像表現においては、ちょっとしたボタンの掛け違いでつまらない思いをする。その境界を見極め、ギリギリのエッジを攻める」ことが大事だと話した。また社会的責任について求められる指針として、社会環境への適合やライフスタイルへの対応を挙げた。また、藤澤氏は後半、モノ作りに役立つメッセージとして、「detailに神が宿る」と学生に訴えた。「detailにこだわることを怠ると減衰が早くなる」、「detailを大切にするために、常日頃から細かいところを注意深く観察していると、それがセンスへとつながる」と強く主張した。

 第二部は、茶谷氏と藤澤氏によるパネルディスカッションが行われた。その中で両氏は共に、「問題にぶちあたってもアタフタせず、自分の引き出しを開けてみて問題解決に立ち向かう」ことの重要性を言及。また「そのためにも引き出しを多く持っておく必要がある」と学生に語った。

 最後に学生との質疑応答が行われ、講義は終了した。


<2007年6月26日掲載>