映像学部リレー講座「クリエイティブ・リーダーシップ・セミナー」第6回目 開催
6月29日(金)、衣笠キャンパスにて、クリエイティブ・リーダーシップ・セミナーの第6回目の講義を開催した。今回は、映像学部設置の際のアドバイザーとしても参画した東京大学大学院情報学環教授の原島博氏を講師に迎え、「サイエンスプロデュース」をテーマに、科学技術と芸術との融合の可能性について講義を展開した。
前半には、原島氏の専門の一つである「顔学」の紹介が行われた。元々コミュニケーション工学を専門とする原島氏だが、テレビ電話の開発研究を通じて「顔」に興味を持った、という動機が説明された。その後、モナリザの横顔の解析や、東大生や銀行員・プロレスラーなどの平均顔や、昔と今の人の顔の違いなど、これまでの研究成果のいくつかをスクリーン上に紹介した。「コンピュータの中に顔の骨組みを作り、その上に顔写真を取り込むため、その人固有の骨組みを作ることができる」と解説した。
後半ではコンテンツ時代の到来を示唆し、「通信インフラが整備された今日において、インフラの上にどのようなコンテンツ・文化を築くかが大切。IBM→マイクロソフト→Google・yahooと、ITの主役が変遷してきている今日において、次のコンテンツの時代を担うのは君たち学生だと期待したい」とエールを送った。
また原島氏自身が科学技術と文化芸術の融合に力を注いでいることを紹介。「顔学は、文理融合型の『ダヴィンチ科学』の実践であるが、現代では個々の専門性が高いため、一人でダヴィンチになることは難しい。しかし他者とつながって、異なる専門性を共有すれば、全体でダヴィンチになることは可能。そのために、@共有できるレベルの広い学識、A相手に尊敬される深い専門性、B人から信頼される人望の厚さ、C新しい分野への好奇心、D人間関係の組織力、を身につけてもらいたい」と述べ、講義を締めくくった。
原島氏「顔学」の研究HPはこちら
<2007年7月9日掲載>
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