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シンポジウムの様子

イーストウエスト対話センター代表の村川治彦氏

シンポジウム「臨床と人称− 心理療法の『科学』をめぐるフォーカシングと臨床行動分析の対話」 開催

 6月2日(土)、衣笠キャンパスにて、立命館大学人間科学研究所主催シンポジウム「臨床と人称− 心理療法の『科学』をめぐるフォーカシングと臨床行動分析の対話」を開催した。このシンポジウムでは、哲学者・心理学者として知られるT.E.ジェンドリンが唱える『一人称の科学』をめぐり、フォーカシングとよばれる心理療法と、臨床行動分析(臨床心理学)の2つの対人援助の立場が対話。通常では接点が見つけづらい心理療法と臨床心理学、さらには対人援助そのものの「共通言語」の構築を目指すものである。そのために、この領域における「科学」や、その具体的な方法論をラディカルに捉え直すことを目的として行われた。

 シンポジウムでは、帝京平成大学の村里忠之准教授、武藤崇・文学部准教授、イーストウエスト対話センター代表の村川治彦氏、兵庫教育大学の井上雅彦准教授の4名が話題提供者として参加。村里氏はジェンドリンの『一人称の科学』に関する思想を概観した。武藤氏は行動分析学からみた「人称性と科学」の関係性について映像を交えながら、その議論のコアな視座が呈示。村川氏は身体感覚やメタファーについて体験的なエクササイズを実際に行い「一人称」を自ら体感しながら述べた。井上氏は自閉症児に対する「一人称」言語の援助に関する実証的な研究を紹介した。

 4つの話題提供終了後は、中川吉晴・文学部教授、望月昭・文学部教授を交えての総合討論が行われた。討論では、聴講者の質問に対する答弁から、話題提供者、指定討論者間の個々の見解に対する意見交換まで、活発なディスカッションが行われた。

 聴講者からは、「自己を客観的に観る『一人称の科学』の奥深さや難しさの一端に触れることができた。自然科学などの『三人称』・人間科学などの『二人称』との関係や相違点等を学ぶとともに、自身の諸過程に対する理解への意欲が生まれた。難しい内容ではあったが、『一人称の科学』の今後の発展に期待したい」との意見が寄せられた。

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