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ランディ・ハーツ教授

会場の様子

ランディ・ハーツ教授によるロースクールのクリニック教育に関するセミナー開催

 7月4日(水)、朱雀キャンパスにて、臨床法学全国連絡協議会・立命館大学法科大学院共催で、ランディ・ハーツ教授(ニューヨーク大学ロースクール・臨床・権利擁護プログラム所長)による「21世紀のロースクール教育におけるクリニックの役割」と題する特別セミナーが開催された。

 アメリカでは、ロースクールの学生が各州の定める資格を充たしていると、教員の指導・監督のもと、実際に依頼者から事件を受任し、法廷で活動をすることができる。そのような実際の依頼者・事件に接することによって、面接、カウンセリング、交渉、証人尋問等のスキルや法曹としてのマインド、倫理観、理論が現実に果たし得る役割などについて、実践を通じて学んでいく。これが臨床法学教育(クリニック)である。

 ハーツ教授はこうしたクリニック教育が、現在では、アメリカのロースクール教育にとって不可欠な教育方法となっていること、また、ハーツ教授も中心的にかかわったベスト・プラクティス・プロジェクトは、ロースクールで行われるどのような教育実践が高い教育効果を産むのかを実証的に検証するもので、このプロジェクトのレポートであるBest Practice For Legal Educationは今後大きな示唆を与えることなどを中心に講演をされた。

 通訳と解説は日本の臨床法学教育の導入発展に中心的な役割を果たしている宮澤節生青山大学法科大学院教授によって行われ、参加した他大学を含む法科大学院教員や弁護士などからの質疑を中心に熱心な討論が行われた。とりわけ、数多くの事件をルーティーンワークのように片付ける実務家と異なり、ロースクール院生は指導教員の監督・指導のもと、ごく少数の事件を、しかもどれも未知の新鮮な対象として、意欲的かつ真摯に扱い、そのことが例えば刑事事件で無罪判決を勝ち取る率の高さなどの成果としても現れ、依頼者にも大きな満足感も与えているというハーツ教授の指摘は印象的であった。

 立命館大学法科大学院でも舞鶴市に法科大学院生が出張して法律相談を行うリーガル・クリニックTや女性と人権問題に特化して法律相談を行うリーガル・クリニックUを開設しており、これは特徴的な試みとしてアメリカでも紹介されているとハーツ教授は言及された。これからクリニックやエクスターンシップなどの実習を受ける法科大学院生にとっても、非常に刺激となり、有意義なセミナーとなった。

立命館大学法科大学院のHPはこちら


<2007年7月6日掲載>