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シンポジウムの様子

張 武昌氏(国立台湾師範大学学院長、英語学系教授)の
講演の様子

「英語教育セミナー・第2回一貫教育シンポジウム」を開催

 7月7日(土)、朱雀キャンパスにて、「英語教育セミナー・第2回一貫教育シンポジウム」を開催した。

 第一部では、張 武昌氏(国立台湾師範大学学院長、英語学系教授)による「初等段階の英語教育において重要なこと」と題した特別講演が行われた。
 台湾では2001年に小学校5年生より英語が必修科目となったが、国の施策を超えて幼稚園段階からの英語学習ブームが起こり、国の基準より早く英語教育を開始する小学校も多くなった。その結果、現在台湾では主に3つの問題が起こっており、張氏は「第一は『力のある教員の不足』。国は1999年から初等教育英語教員トレーニングプログラムを開始したが地方まで行き渡らず、外国人教員の雇用などを進めている。第二は『子どものレベルの違い』。さまざまな学習歴を持っている子ども達が混在し学習していること、また都市と地方で英語教育開始時期が違い、対応を求められている。またその結果起こっているのが第三の『アセスメントや教材に関わる学習プロセスとその成果検証の問題』である」と報告した。

 第二部ではまず、立命館宇治高等学校3年生(スーパーイングリッシュランゲージ(SEL)コース)の生徒達が、授業で取り組んだWebページ作成について発表。また、立命館小学校の英語授業のビデオ報告では、モジュールタイム、フォニックス、文字と音の認識、リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングなど、4技能の活動を紹介した。
 パネルディスカッションでは、まず湯川笑子教授(文学部教授、一貫教育推進本部国際化・言語教育開発部門長)から、立命館の一貫教育における英語教育の課題が提起された。立命館小学校は現在の取り組みを進めるなら、小学校卒業時には相当高いレベルの英語力に到達することが予想され、それをさらに伸ばすための教育展開が求められること、様々な学習歴と英語力を持った生徒に対応していくため、立命館宇治中学校・立命館慶祥中学校・立命館守山中学校も、それに対応するカリキュラム強化を図っていく必要がある」と述べた。
 この提起を受けて、英語を担当する三ツ木由佳教諭(立命館小学校教員)が、立命館小学校の英語教育の到達点を紹介。次に山岡憲史教授(大学教育開発支援センター教授、一貫教育推進本部国際化・言語教育開発推進部門専門研究員)より、立命館宇治高等学校の英語教育「スーパーイングリッシュランゲージハイスクール(SELHi)」が紹介された。山岡教授は全国的視点から「SELHi」の到達点を分析すると同時に、SELコースだけでなく一般の生徒も高い到達が可能であることを示唆。
 最後に齋藤栄二教授(京都外国語大学特任教授、関西大学英語教育連環センター特別顧問、京都教育大学名誉教授)は、「言語を学ぶ、言語を教える」ということが、世界平和にとって不可欠であると強調。そして「早期英語教育は、『生きた人間の心の表現』としてのことばの教育を目指さなければならない」と述べた。


<2007年7月13日掲載>