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バーナード・クリック ロンドン大学バークベック校政治学名誉教授特別講演会
「The Four Nations of the United Kingdom」開催




11月27日(水)イギリスの著名な政治学者である、ロンドン大学バークベック校政治学名誉教授のバーナード・クリック氏を招いた国際関係学部特別講演会が以学館1号教室で開かれ、大勢の学生らがつめかけた。

「The Four Nations of The United Kingdom」と題された講演でクリック氏は、イングランド・ウェールズ・スコットランド・北アイルランドと、文化や宗教が異なる四つの地域に分かれながらも、一つの国家として長い歴史をはぐくんできた英国を例に、国民国家やナショナリズムといった、人類の歴史的命題とも言えるテーマについて話した。講演会には立命館大学国際関係学部の小林誠助教授、過去にクリック氏の書籍を訳した名古屋大学名誉教授(元立命館大学教授)の田口富久治氏も参加した。

クリック氏は講演の中で、多くのイギリス出身者が自らのことを「イギリス人」と呼び、スコットランドやウェールズなどのより多くの地域を指す「英国」という言葉をめったに使わないことを紹介。同じ国家の中でも、四つの異なった地域に別れ、それぞれ独自のアイデンティティをはぐくんできた英国人を、国家のアイデンティティと地域のアイデンティティの両方を兼ね備えた「2重アイデンティティ」からなる人々であるとした。

イギリスでは地域間での火種がないわけではない。スコットランドでは独立を呼びかける運動が現在でも絶えない。しかしながら一方で、対立を繰り広げながらも300年近くもの間、スコットランドは英国国家の枠に収まり、それでいて独自の文化を保持しつづけた。地域間で異なるアイデンティティを持ち、それらを保ちつつも、一つの国家として成立しうることを示した英国の事例は、異なる文化や民族的背景を持った人々が、同化することもなく、一つの国家の中で共存する、多文化主義の可能性を示唆している。クリック氏は「イギリス人は彼等のイギリス的な部分を抑圧すべきでないし、イギリス人であり、英国人でもあることが一体どういうことであるかをよく考えるべきだ。どちらのアイデンティティも失ってはいけない」と語る。

講演後、国際関係学部3回生の学生は「日本人にとってはなかなか理解しにくい概念。イギリスと英国の違いを知らない人も多いと思うし、とても興味深い講演会だった」と話した。