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連続講座「国民国家と多文化社会」第13シリーズ「東欧世界は20世紀をどう生きたか?」第4回「東欧と西欧の狭間ー東ドイツ」開催




連続講座<国民国家と多文化社会>第13シリーズ「東欧世界は20世紀をどう生きたか?」『東欧と西欧の狭間―東ドイツ』の講演が11月29日(金)、創思館カンファレンスルームにて行われた。講師は大阪大学助教授木戸衛一氏。

木戸氏は講演で、「2002年9月22日ドイツ連邦議会選挙結果を、西ドイツと東ドイツに分けて投票率を見比べると非常に興味深い。西ドイツでは『キリスト教民主、社会同盟』が現ドイツ政権である『社会民主党』を上回っている。西ドイツだけでみれば『政権交代』が行われていたのです」と語った。講義はスライドを利用したり、ベルリンの壁が崩壊した時の状況をリアルに話すなど観客の興味をひいてやまないものだった。また木戸氏は「現在ドイツでは東西統一が実現した10月3日がナショナルデーだが、私は10月9日のライプツィヒで行われた7万人デモの持つ歴史的重さの方を特に強調したい。それまで粗暴だと言われていた東ドイツはそこで暴力を使わない『強さ』を覚えた。西ドイツでは一党独裁制が見直されるきっかけとなった」と話した。講義はスライドを利用したり、ベルリンの壁が崩壊した時の状況をリアルに話すなど観客の興味をひいてやまないものだった。

引き続き、立命館大学文学部高橋秀寿教授、奈良女子大学非常勤講師國重裕氏がドイツ統一後の文学のありかたや『東ドイツ』が変容していく過程について述べた。

終了後、文学部四回生の男子学生は「ドイツ連邦議会選挙は日本の報道でも何度か目にしていた。だがドイツを西と東に分けて考えるとまるで正反対の投票結果になるなんて知らなかった。木戸先生の話にとても刺激を受けた」と感想を語った。