Ritsumeikan News
  立命館ニュース

<21世紀・知の潮流を創る、パート2>第一シリーズ第3回講演会
ドゥルシラ・コーネル氏「フェミニズムのナショナルな限界」開催




2003年4月開設に向けて設置認可申請中の大学院「先端総合学術研究科」開設準備企画、<21世紀知の潮流を創る、パート2>第3回講演会「フェミニズムのナショナルな限界」が、11月28日(木)、創思館カンファレンスルームにて行われた。講師はラトガーズ大学教授ドゥルシラ・コーネル氏。「正義の根源」や「自由のハート」などの著作によって法哲学、政治学、フェミニズム理論など幅広い分野で世界的注目を集めている。

昨年の米国同時多発テロに直面したドゥルシラ氏は、「感じたことは色々あったが、アメリカ合衆国がイラクに対する戦争に向こう見ずに突き進む体勢には賛同できない。確かにアフガニスタンでは爆撃とタリバーン政権の転覆は女性に対する不正を正したと評価された。だが、かといって合衆国のフェミニスト達も同じように主張するのはおかしいし、自分達は善で相手は悪だと決めつける姿勢には賛同しかねる」と述べた。
テロリズムに対する戦争で死んだ兵士達を心から悼む善き女性達の思いが、善き国民を悪しき敵に対して闘わせている。これに気づいている人が一体どれだけいるだろうか。「自分」と「他者」、「正常」と「異常」の分割は悲しみしか生み出さない。「彼女達の『思い』を決して国家による他国への先制的な軍事侵攻の正当化へと変えてはならない」と語った。

続いてお茶の水女子大学教授竹村和子氏がコメンテーターとして招かれ、会場内の質疑応答に応じた。

産業社会学部 岡田隆介さんは講演後、「雑誌・『情況』の特集でコーネルさんのことを知り、図書館で著作を読んだ。『個人のイマジナリーな領域』という概念とそれが強大な国家によって攻撃されるさまを、昨年からの戦争をみていて『リアル』に実感していた。こうした研究者と交流を持てる教授を擁する立命館大学に通っていてよかったと思う」と感想を語った。