シンポジウムの様子
アメリカ・クラーク大学心理学科長・本学客員教授の
Jaan Valsiner教授
人間科学研究所連続公開企画3
「文化心理学と人間関係の諸相」
1月25日(日)、立命館大学人間科学研究所公開企画3 講演とシンポジウム「文化心理学と人間関係の諸相」が、衣笠キャンパス創思館カンファレンスルームで開催された。同企画は、人間科学研究所「日本学術振興会 人文・社会科学振興のためのプロジェクト研究事業 ボトムアップ人間関係論の構築」プロジェクトおよび日本心理学会フィールド心理学研究会が共催したもの。当日は、本学の学部学生・院生をはじめ、遠く九州、関東、近畿など各地から70名近いご参加をいただいた。
今回の講演者、Jaan Valsiner教授(アメリカ・クラーク大学心理学科長・本学客員教授)は、文化心理学における世界的リーダーの一人。文化心理学とは人間の発達を文化や社会制度との関係性から考察する古くて新しい領域である。 前半の講演では、Valsiner教授から「今日の文化心理学」と題した講演が行なわれた。講演の中では、文化と心理学の関係のとらえ方について歴史的な変遷を踏まえて論じられ、文化人類学や歴史学、発達心理学や社会心理学、社会学など学範を越えて協調して検討する必要があることが指摘された。
その後のシンポジウムでは、「文化心理学から見る発達と社会の諸相」をテーマに、Wolfgang Friedlmeier教授(名古屋市立大学/ドイツ・コンスタンツ大学)、箕浦康子教授(お茶の水女子大学)、サトウタツヤ助教授(立命館大学)、抱井 尚子先生(青山学院大学)、やまだようこ先生(京都大学)から、それぞれの具体的な研究についての報告があった。扱う文化も、着目点も多様なものであったが、いずれも、様々な切り口から、その文化における人々の独自の特徴を捉えることで文化と心についての思索を刺激する、大変興味深いものであった。
人間の数だけ文化があり、文化の数だけ人間がいる。今回の企画は、その多様性をすべて包括的に理解し、差異に基づく無用な争いを避けるために、文化心理学が大きな力を発揮することを実感する機会となった。
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