実例を交えた解説を行う榊原淳氏
 
株式会社メディアフュージョン代表取締役社長
榊原淳氏
 
 
情報理工学部 IT企業リーダーによるリレー講座
「情報コミュニケーション学の技術と人・社会との係わり合い 第3回『メディアフュージョンの挑戦〜XML、ミドルウェアの世界市場に挑戦する!〜』」
 
 5月21日(金)、びわこ・くさつキャンパス コラーニングハウスTにて、情報理工学部が開講する「IT企業リーダーによるリレー講義」が行われた。

 第1回日本オラクル株式会社執行役員前田浩氏、第2回KDDI株式会社執行役員技術開発本部長村上仁己氏に引き続き、今回は第3回目。株式会社メディアフュージョン代表取締役社長榊原淳氏が、『メディアフュージョンの挑戦〜XML、ミドルウェアの世界市場に挑戦する!〜』と題し、ソフトウェア業界におけるXMLを取り巻く現状と展望、日本のITビジネス及びベンチャー企業について語った。

 XML(Extensible Markup Language :拡張可能なマークアップ言語)とは、インターネット上でデータのやり取りをしやすくするために開発された、世界標準のデータ記述言語のこと。従来の方式とは異なり、データの表す意味がわかりやすく、簡単にデータを追加できるなどの優れた特徴をもつ。メディアフュージョンは、このXMLを用いたソフトウェアの開発を行っており、その技術は、携帯電話の地図情報や大学のシラバス、電子カルテなど既に様々な分野で活用されている。

 講義は、『起業のきっかけ』や『XMLって何?』、『ベンチャー企業ってどんなところ?』など、XMLの基礎的な説明からITで起業するために必要とされることまで多彩な内容。XMLの説明では、携帯電話の画面上に表示された地図をモニターで写しながら紹介するなど、実例を交えた解説に、受講した学生たちは興味津々の様子だった。また、話の中で榊原氏は、日本のソフトウェア業界がブランド志向で海外製品に偏っている現状を説明。日本人には、ソフトウェアの世界市場で互角に戦っていくために必要となるマーケティング力やチャレンジ精神が不足していることを指摘し、「ソフトウェア開発には、日本人が得意とする職人芸が不可欠。その点で日本人には強みがあると言えるが、物を売るためにはマーケティング力や営業力も重要。ソフト開発の技術だけではなくそれらの力も身につければ、日本人でも充分、世界市場に参戦できる。自信を持ってチャレンジして欲しい。」と、将来のITを担う学生たちを激励した。

 次回は、5月28日(金)15:50〜、コラーニングハウスT305にて、日本IBM執行役員大水一彌氏による「情報コミュニケーション学の技術と人・社会との関わり(企業での実践例)−IBMでのITビジネスと技術」を開講予定。