講義の様子
 
求められる人材について語る大水一彌氏
 
 
情報理工学部 IT企業リーダーによるリレー講座
「情報コミュニケーション学の技術と人・社会との係り合い 第4回『ネットワーク社会における企業経営の変化と求められる人材』」
 
 びわこ・くさつキャンパスでは、情報理工学部情報コミュニケーション学科主催による「IT企業リーダによるリレー講座」が開講中である。4回目となる5月28日(金)は、日本IBM株式会社西日本地域担当執行役員 大水一彌氏を招き「ネットワーク社会における企業経営の変化と求められる人材」というテーマで行われた。

 IBMの事業展開は世界170ヶ国、経常利益が世界10位以内にランクされ、日本での設立も1967年と実績と伝統のある企業である。研究開発への投資を惜しまず基礎研究に力を入れ、1964年の東京五輪で日本初のオンライン放送の技術を支えた。以後シドニー五輪までその役割を果たし続けている。しかし一方で、IBMは時代のニーズの対応に遅れ、1993年には設立初の赤字経営の危機的状況に陥った。事業改革を行い、それまでのハードウェア中心の事業から、サービス中心の事業へと転換。大水氏は「私達経営陣トップがお客様の生の声に対応していく“お客様満足度向上委員会”を結成して10年以上になります。また、経営構造を7階層から3階層に改革し風通しのよい経営を図っています。」と近年の経営戦略を述べた。
 さらに、「日本は世界的に見て社員教育に優れているのに、国際競争力が弱いという現状があげられます。IT業界は技術革新の激しい分野で生涯勉学が必要です。企業には情報をすぐに察知し、ダイナミックな変化に対応できる人間が求められています。」と学生達にメッセージを送った。