井戸敏三兵庫県知事
 
学生と言葉を交わす井戸知事
 
 
2004年度法学部 法政特殊講義「全国知事リレー講義」第14回「家庭と地域の再構築をめざす兵庫の取り組み」
 
 7月13日(火)、法学部法政特殊講義「第2期全国知事リレー講義」の第14回が衣笠キャンパスにて行われ、兵庫県の井戸敏三知事が講義を行った。

冒頭で知事は兵庫県南部地震に触れ、「今までの防災は、災害にはかなわないのだから、その災害からどのように復興するかに焦点が置かれていた。しかし、今日ではいかに災害を少なくするかという減災に焦点が置かれている」と防災の観念が変化したことを述べた。
知事は、戦後日本の発展について「日本の社会構造は細分化と画一化が進んだ」と述べた。つまり「すべての事を一人で行うのではなく、細分化することによって物事が専門化し、アウトソーシングを必要とする社会へと変化した」と指摘した。また、「画一化によって物事は標準化し、働き方の変化もともなって、職場と家庭の峻別が進んだ。その結果、一億総サラリーマン化ともいえる社会になったのではないだろうか」と発展に隠れた問題点を述べた。
そして、家族と地域についても言及し、「職場と家庭の峻別によって、どの子供でも環境の変わらない生活をするようになり、少しでも違ったことをする人は排除する傾向にあるのではないか」と話し、「様々な経験をすることは、違った社会を知ることになる。それは、これからの時代に必要な多文化共生への第一歩となるのではないだろうか」と強調した。
さらに、「人と人との結びつきの重要性」についても触れ、「地震のとき、たくさんの人が救出された。消防や自衛隊に助けられた人も多いが、一番多いのは近所の人に助けられた人である」と近所づきあいの重要性を述べ、「人的資本と社会資本を結び付けることによって、地域社会が元気になる。住民が主導になり、何をするかを選ぶ『参画と協働』が基本姿勢である」と実際に兵庫県が取り組んでいる例をいくつか紹介しながら、地域社会を再生するための政策について説明した。
最後に知事は「情報化、国際化と言われるが、それは一極集中を生んでしまう。兵庫県はあえてこの流れに逆らい、特色を生かし、強みを持って共生社会というものを作っていきたい」と今後の展望を述べ、講義は終了した。

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