文化勲章を受章した白川 静名誉教授
 
 
 
立命館大学 白川 静名誉教授が文化勲章を受章
 
 2004年10月29日(金)、立命館大学 白川 静名誉教授が文化勲章を受章した。

 政府は、多年にわたる中国古代文化の研究・教育で卓越した業績をあげ、また漢字研究を通じて中国文化研究さらには東アジア文化研究の発展に顕著な貢献をしたことを、受章理由としている。具体的には、まず中国最古の文字資料である甲骨文の徹底的分析を行い『甲骨金文学論叢』として刊行し、これらの研究に基づき、最古の漢字辞書として知られる『説文解字』の誤りを訂正した『説文新義』を刊行した。さらに、漢字の形や意味の変遷を系統的に探求した『字統』、漢字の我が国での受容のあとをたどった『字訓』に加え、13年以上の歳月をかけて完成させた漢和辞典『字通』を出版している。特に高く評価されているのは、これらの大冊をほとんど独力で完成したという事実である。さらに研究に見られる特徴として、厳密な科学的手法、中国のみならず東アジアの古代文化全体を見通した広い視点、通説の誤謬に対する厳密な批判的態度が貫かれている点が評価された。

 白川 静名誉教授は、立命館大学法文学部漢文学科を1943年(昭和18年)9月に卒業、1954年(昭和29年)から1976年(昭和51年)まで本学で教鞭をとり、1981年(昭和56年)から本学名誉教授。1998年(平成10年)には文化功労者を、1999年(平成11年)には勲二等瑞宝章を受章している。