講義を行う大谷光真・浄土真宗本願寺派西本願寺門主
 

1,000名を越える学生、聴講生が出席した
 
 
連続リレー講義「現代社会と宗教」開講
 
宗教界を代表する講師による連続リレー講義「現代社会と宗教」が開講し、初回となった4月11日(月)には、衣笠キャンパスにおいて、大谷光真・浄土真宗本願寺派西本願寺門主による講義が行われた。

講義の冒頭で大谷門主は、「人間には不安も多いが、それを受けとめ導くことが、人間だけが行える精神活動としての宗教の大きな役割である」と述べ、「仏教」を「饅頭」に例えながら、「目にしているものは『皮』つまり外側にすぎないのだから、若いみなさんにはじっくりと中身を知ってもらいたい」と話した。

また、社会に対する提言として、物事を二つに分けて考える「二元論」について触れ、「脳死」を例にとり、「頭脳と身体の二元論になっているのではないか」と問いながら、「現代特有の人間の生死の問題は、医学に任せるのではなく、哲学や宗教など人文科学の視点から研究してもらいたい」と学生に呼びかけた。

宗教、命の問題から、紛争・戦争、生命倫理といった時事問題にまで話題は広がり、出席した1,000名を超える学生、聴講生は熱心に講義に聞き入っていた。

本講義は、今日の社会情勢を分析する際の重要な視点となる宗教の存在意義、役割について第一線の宗教者たちが直接学生に語りかけるもので、前期・後期にわたって開講する。