講演を行う筑紫哲也氏
約1000名の聴講者が足を運んだ
国際平和ミュージアム リニューアル記念特別講演会
「21世紀の平和創造」開催
5月28日(土)、衣笠キャンパスにて、立命館大学国際平和ミュージアム リニューアル記念特別講演会が行われた。講師にジャーナリストの筑紫哲也氏を迎え、「21世紀の平和創造」をテーマに行われた講演会には、約1000名の聴講者が足を運んだ。
冒頭、長田豊臣総長が挨拶を行い、大学が設立した世界初の平和博物館の意義を説明した。その中で「このミュージアムは、単に反戦や平和を訴えるためのものではなく、平和研究の拠点にしていきたい」と述べ、社会に開かれた大学を作る上でのミュージアムの重要性を強調した。続いて、安齋育郎 国際平和ミュージアム館長がリニューアルされた館内施設を紹介し、学生に対して在学中に何度も足を運んでほしいと呼びかけた。
筑紫哲也氏は、講演会の中で靖国問題やフィリピンでの旧日本兵生存情報などの例を挙げ、「日々伝えているニュースにも戦争という過去が密接に関わっている」と指摘し、戦争という過去を学ぶ上でこのミュージアムが果たす役割は大きいと評価した。また、「多くの戦争は経済的利益の追求など人間の欲望が引き起こしている。戦争は、環境破壊の原因となり、私たち自身の生存をも脅かしつつある。今後はこれまでに犯した戦争を反省し、偏見や差別などという見えない暴力もない平和な世界を築いていかなければならない」と警鐘を鳴らした。その他にも情報の違いから起こる日中間の教科書問題など話題は多方面にわたった。
講演後、質疑応答が行われ、講演の中では触れられなかったNGOやODAの問題にまで話は及んだ。
聴講した藤原和樹さん(国際関係学部1回生)は「今起きていることに関わる興味深い話が聴け、考えるべきことが改めて提示された。これからの勉強に役立てていきたい」と感想を述べた。
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