広島県尾道市立土堂小学校校長
山英男氏による講演
会場の様子
第3回 立命館 小学校教育フォーラム
「21世紀をひらく新しい小学校教育への挑戦」開催
6月25日(土)、立命館大学衣笠キャンパス明学館93号教室において第3回立命館 小学校教育フォーラム「21世紀をひらく新しい小学校教育への挑戦」が学校法人立命館と京都新聞社との共催により行われた。3回目を迎えた本フォーラムでは、広島県尾道市立土堂小学校校長であり、立命館小学校の教育顧問である
山英男氏による基調講演と陰山氏を含めた4氏によるパネルディスカッションが行われた。新しい小学校教育のあり方を考える本フォーラムへの関心は非常に高く、会場には就学前後の子供を持つ保護者など約900人が訪れ、メモを取りながら熱心に聞き入っていた。
まず始めに薬師寺公夫立命館副総長が開会の挨拶に立ち、「立命館小学校において、国際性・社会性豊かな21世紀の人づくりに取り組んでいきたい」と抱負を述べた。 続いて登壇した
山英男氏は、立命館小学校に期待する理由として、一貫教育による入試文化からの脱却やコンピュータを駆使した斬新な教育方法の導入など理想的な指導方法の探究が可能であることを挙げた。また、日本の学力低下が深刻化している現状を様々なデータをもとに説明し、睡眠時間や朝ごはんが学力・体力の向上に与える影響の大きさや、「読み・書き・そろばん」といった基礎的学習の重要性を訴えた。
山氏は、「学力向上とは、子供を元気にすること」と語り、家庭と学校、行政の連携の重要性、すなわち大人たちが元気に信頼しあうことが子供を伸ばすことにつながると強調した。
次に三好克之氏(京都新聞論説副委員長)をコーディネーターとして4人のパネラーによるパネルディスカッションが行われた。始めに深谷圭助立命館小学校設置準備室室長補佐より「小学校1年生からの辞書引き」の教育実践例を報告。高校生となったかつての教え子3人が会場に駆けつけ、当時の体験が今にどう生きているのかを語ってくれた。無数の付箋が付けられ、ボロボロになったルビつき国語辞書に、会場からはどよめきが起こった。続いて、横山英行氏(小学館コミュニケーション編集局編集長)と出来斉氏(プレジデント社編集委員)が
山・深谷両先生との出会いや教育とマスメディアの役割、立命館小学校で構想している教育方法への期待について語った。また、4氏とも、今の教育の問題点を批判するだけではなく、新しい教育方法を提案することが重要だとの意見で一致、新しい小学校教育の実践をテーマに活発な討議が行われた。
最後に後藤文男立命館小学校設置準備室長が挨拶に立ち、「立命館の名前の通り、一貫教育の中で、子供たちの命が輝く学校をつくっていきたい。そして世界や社会のために貢献するという使命感を育みたい」と小学校づくりにかける思いを語った。
立命館小学校設置準備室では、今後、入試説明会やプレスクールを順次開催する。
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