講義を行う鹿児島県の伊藤祐一郎知事
 

講義の様子
 
 
全国知事リレー講義第7回「新・西南戦争論」
 
 5月31日(火)、衣笠キャンパスにて法学部法政特殊講義「全国知事リレー講義」第7回が行われ、鹿児島県の伊藤祐一郎知事が講義を行った。

 冒頭で知事は、「昔と比べて日本の人口は増えたが、人や資源は東京に集中しており、鹿児島の人口は減っている」と、人口の減少が進む鹿児島県の現状を説明した。続いて、「鹿児島には有人無人あわせて145の島がある」と述べ、「1つの島で得られる排他的経済水域は43万平方キロメートルであり、これは日本の国土よりも大きい」と離島の役割についても言及した。知事は、離島の人口減や高齢化、社会資本の整備の遅れなども指摘した上で、「離島には、ゆとりや癒し、スローライフな暮らし、コバルトブルーのきれいな海がある。離島に対して様々な振興策を行いたい」と今後の展望を述べた。また、昨今の市町村合併や地域間競争について「離島は合併を行うよりは、島の生活を守り、うまく生活が機能するように現実的に対応する必要がある」と語った。

 さらに県政についても財政状況が困難な現状に触れ、刷新大綱により人件費を見直し、財政再建を行っていることを紹介した。また、「Spa」「Shokuhin」「Slowlife」と「3つのS」で新しい鹿児島を作り上げていく計画を述べた。

 最後に知事は「中央集権は制度疲労を起こしている。現在の画一的な制度をどうするか、離島を守るということは、今後の制度における試金石である」と今後の分権と集権について語り、講義は終了した。