会場の様子
加古川市の本庄一市長(左)と明石市の北口寛人市長(右)
リレー講義「自治体外交の挑戦 〜市町村長、わがまちの国際戦略を語る〜」
第7回「隣接する自治体の国際戦略の相違」
5月27日(金)、衣笠キャンパスにて「自治体外交の挑戦 〜市町村長、わがまちの国際戦略を語る〜」の第7回目講義が行われ、明石市の北口寛人市長と加古川市の樽本庄一市長が「隣接する自治体の国際戦略の相違」をテーマに講義を行った。 最初に演壇に立った加古川市の樽本市長は、加古川市の魅力に触れた後、「国際交流」という観点から姉妹都市交流事業について説明した。また、地域国際化への取り組みの中で、「次世代を担う子供達の育成」という加古川市の至上命題から市民が積極的に交流できるように、資金面では加古川市国際交流協会を設立したこと、運営面では加古川市国際交流センターでの取り組みの様子を紹介した。さらに、地域資源を生かした「全国川サミット」の形成や、在住外国人含めた「タウンミーティング」の実施等を紹介し、「加古川市の外交戦略」を示した。
続いて登壇した明石市の北口市長は、過去に明石市の海岸で起きた悲惨な事故に触れ、その教訓を生かして「安全」を最優先に市政を行っていく決意を述べた。その後、北口市長はとりわけ姉妹都市を通じた交流について紹介し、また明石市内における外資系企業や外国人労働者が勤める企業の増加についての現状を述べ、「海峡交流都市・明石市」が果たすべき役割についても、「地方自治体レベルだからこそできること」を掲げながらその気概を披露した。北口市長は現在の国際事業を「次の世代にいかにして引き継ぐか」ということの重要性を説き、「国際交流」に向けた自らの熱い思いを会場に響かせながら講義は終了した。
終了後の質疑応答では、明石・加古川両市の政策面での相互協力の可能性を指摘する質問も寄せられた。
加古川市とマリンガ市との姉妹都市事業について質問した、日系ブラジル人の佐藤モニカ美佐さん(国際関係学部4回生)は「パラナ州(マリンガ市のある州)と加古川市が姉妹都市を結んでいるのを聴いて嬉しかった。祖父たちとは、あまり深い交流がなく移住当時の苦労も知らない。しかし、日本人としてのルーツを思い出すためにも、外国語センターは役に立っていると思った」と感想を語った。
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