山口大学 大学教育センターの沖裕貴教授
検討会の様子
「シラバス検討に向けた学習会」開催
8月5日(金)、衣笠キャンパス、びわこ・くさつキャンパス(BKC)の両キャンパスと、立命館アジア太平洋大学(APU)の3地点をテレビ会議で結び、「シラバス検討に向けた学習会」が開催された。
近年、高等教育機関においても社会的説明責任の重要性が高まる中で、第三者評価が活発化しており、シラバスもそれに耐えうるクオリティが求められるようになっている。また、本学では教育力強化に向けて、個々の授業と大学・学部における教育目標との関係を明確にすることが、従来にも増して重要視されており、教育目標を具体化したものであるカリキュラムと、個別授業の位置づけの明確化がより大切になってきている。このため、大学教育開発・支援センターでは、新たなシラバス開発の検討あたって、シラバスにおいて授業内容とカリキュラムとの関係を明らかにする必要があると考え、学生、教員、職員間でシラバスの意義と目的を共有化しようとしたのが本学習会である。
当日は、先進的なシラバス開発に取り組んでいる山口大学 大学教育センター沖裕貴教授を招き、山口大学におけるシラバスの意義や目的、改善に向けた取組方法等について講演した。沖教授は、山口大学では各授業の目標がカリキュラムの中で教育目標の達成に貢献しているか、また、各授業はその達成に向けて整合的に配置されているかを検証するものであり、そこにシラバスを作成する意義があると説明した。その後、大学の評価基準に沿ったシラバスの作成過程について山口大学の事例を紹介し、シラバスを開発し活用していくためには、継続性と組織性が大切であるとの認識が示された。
講演後には活発な質疑応答が行われ、新しいシラバスが学生の学びを高めることに繋がっているかとの質問に対し、一例としてシラバスに必要な授業時間外学習を記載することで、新入生に自学自習の習慣を身に付けさせる一助になったという報告があった。
最後に大学教育開発・支援センターの木野茂教授より、「シラバスを改善していくにあたり、原点は教育であるということを認識しておく必要がある。シラバスの改善のみでは様々な限界はあるが、有効な手段の一つがシラバス改善であり、本学でも出来ることから段階的に取組む必要がある」との感想が出され、本学習会は締め括くられた。
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