記念講演会の様子
 

 
 
「ぼくたち わたしたちの生きた証−『若人の広場』旧蔵・戦没動員学徒遺品展−」の記念講演会「勤労動員と学徒の被害を考える」開催
 
 立命館大学国際平和ミュージアム特別展「ぼくたち わたしたちの生きた証−『若人の広場』旧蔵・戦没動員学徒遺品展−」の記念講演会「勤労動員と学徒の被害を考える」が、12月11日(日)に開催された。

 講演ではまず愛知県史調査執筆委員の佐藤明夫氏が「愛知県学徒勤労動員の特色と被害」と題し、徹底的で強制的な動員がなされ、原爆以外の一般戦災で最大の被害をだした愛知県の勤労動員の状況について研究の成果を話した。次いで桜ヶ丘ミュージアム学芸員の平松弘孝氏が「豊川海軍工廠における学徒動員と空襲による被害」と題し、愛知県の中でも1945年8月7日の空襲により最大の被害をだした豊川海軍工廠での勤労動員について、桜ヶ丘ミュージアムでの調査・研究や展示を踏まえて述べた。最後に広島平和記念資料館学芸員の勝部知恵氏が「広島の動員学徒の被害」と題し、建物疎開作業に動員されて原爆の被害を受けたため、13・14歳の学徒を中心に、全国の被害の6割にあたる7200人もの犠牲者をだした広島の被害について、平和記念資料館の資料収集・保存・研究の状況も交えて語った。

 講演後の質疑応答では、学徒勤労動員とその被害の全国的な状況や、動員の命令系統とその強制性、被害の補償の状況、平和博物館の取組状況などについて討論され、今後各地域での調査・研究を進め、その成果を交流することによって勤労動員や動員学徒の被害をより明確にしていく必要性が強調された。