日本赤十字社社長の近衞忠W氏
 

会場の様子
 
 
インド洋大津波支援国際シンポジウム
「災害時にむけて大学は何をなすべきか〜責務と役割〜」
 
 12月8日(木)・9日(金)、衣笠キャンパスにおいて、インド洋大津波支援国際シンポジウム「災害時にむけて大学は何をなすべきか〜責務と役割〜」が開催された。

 はじめに、立命館アジア太平洋大学のモンテ・カセム学長より挨拶があり、「災害直後に大学が役に立てることは少ないが、中・長期的に人材開発などの分野でできることがある。目に見えない知的分野での協力が重要で、今回のシンポジウムで議論を深めたい」と述べた。

 続いて、日本赤十字社社長の近衞忠W氏による「人道は人情を越えられるか」と題した基調講演が行われた。人道的援助の重要性と現在の問題点に触れ、「人が不幸に見舞われたとき救いの手を差し伸べるのが人情だが、政治的配慮や報道の影響などで援助内容にズレが生じている。人情の質と量に左右されているのが現在の援助だが、人道は基本的人権として、公平でなければならない。1つとして同じ災害はなく、それぞれにおいてチャリティではない普遍的な人道援助が必要だ」として、その解決に向け、本シンポジウムへの期待を寄せた。

 その後、2日間にわたって災害援助に関する6つセッションが行われ、災害の多面性や大学としてできることなどをテーマに幅広い議論がなされた。シンポジウムは同時通訳もあり、アジア各国の大学や関係機関の専門家、多くの学生が参加し、熱心に耳を傾けていた。