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2004年度・2005年度に私が担当したゼミは、「文化としての<移動>」をテーマとするテーマリサーチ型ゼミナールでした。そもそもテーマリサーチ型ゼミナールとは、現代的な諸課題を分野・領域を自由に横断しながら、人文科学の立場からアプローチすることを目的とした、文学部独自のゼミナールです。そのため、テーマリサーチ型ゼミナールで扱うテーマは毎年見直され、常に新しいテーマが開拓されています。また、文学部であれば、所属の専攻・プログラムにかかわらず履修することができるため、様々な所属の学生が集まるのがテーマリサーチ型ゼミナールの特徴です。
まず3回生では私が日本の近代・現代社会について「移動」を視点とした講義を数回行い、その後こちらから指定した「移動」をテーマとしたキーワード・作品の中から学生がテーマを選択し、発表を行いました。こちらが指定したキーワード・作品の例としては、夏目漱石の『三四郎』を通して、「上京する青年」というキーワードの諸相をとらえました。このように3回生では、学生自身がこちらから指定したキーワードを広げていきました。また、4回生では各自が「移動」という視点をふまえてテーマを見つけてそれを深め、卒業論文を作成しました。
石川さんは「移動」を視点としたこのゼミの意図を最も理解し、卒業論文を作成した学生だと思います。また、石川さんは大変熱心で、特に図書館での文献調査力に優れ、収集した多くの大津絵の図版は、卒業論文に十分な説得力を与えています。また、系統立てた論文作成をとアドバイスしたところ、石川さんはしっかりと研究内容を整理することができ、さらに説得力のある論文になりました。石川さんには学部に引き続き、大学院でも研究に邁進してくれていると思っています。
今後、卒業論文を作成される学生へのアドバイスとしては、まず2・3回生で自分が最も研究したい、明らかにしたいと思うテーマを見つけることが大事だと思います。特に3回生の時点では問題意識を鋭敏に研ぎ澄まし、テーマを探すことが大切です。そしてテーマを見つけた後は、しっかり先行研究をすることですね。また、ただ卒業論文を書けばいいという立場ではなく、自分がこの研究に関わることがどういう意味を持つのかということを考えて、広い視点で卒業論文を作成して欲しいと思います。 |