BKCの地下に古代の遺跡が眠っていることを、みなさんはご存知ですか?この「木瓜原(ぼけわら)遺跡」は言わば古代の製鉄コンビナートです。学術的価値の高い貴重な遺跡で、専門家からも注目を集めています。今回はその木瓜原遺跡を実際に見学してきました!

衣笠キャンパスにあった理工学部と理工学研究科をびわこ・くさつキャンパス(BKC)に拡充・移転したのは1994年。BKCの用地を造成するときに発見されたのが、今回紹介する木瓜原遺跡です。

木瓜原遺跡の名称は、遺跡周辺が植物のボケの原生林だったことに由来しています。現在は滋賀県と草津市の協力を得て、遺跡の一部をクインススタジアムの地下に保存しています。もしこの場所に何か建物を建てていたら遺跡の保存は難しく、スタジアムの下だからこそ保存できたそうです。ちなみにクインスとは、ボケの英語名。クインススタジアムの名前も、ここに由来しているのですね。

 

BKC周辺はもともと製鉄炉の遺跡が多い地域でしたが、木瓜原遺跡は7世紀頃に鉄や陶器がつくられた大規模なコンビナートで、当時の様子を知る貴重な手がかりとなっています。通常は燃料となる薪を求めて製鉄炉が移転していくのですが、木瓜原遺跡は原生林が豊富で、他の場所に移ることなく鉄が生産されていたそうです。遺跡そのものの一部を大学として保存しているのは全国でも立命館大学だけで、専門家やマスコミ、地域の方々からの見学依頼も多く、他大学の学生や鉄鋼メーカーの社員の方々も見学に来られます。

鉄鉱石や製鉄後の残りかすなどの出土品や、キャンパス造成当時の写真は、現在はメディアライブラリーに展示されています。2月からはコアステーション1階に場所を移し、引き続き展示されます。1000年以上前の産業の様子を知ることができる展示に、みなさんも足を運んでみませんか?また、実際に見学してみたいと希望する学生はBKCキャンパス事務課を訪ねてみましょう。

 
取材・文山元裕介(経営学部3回生)