「Rs be ambitious!」山中諄氏(1965年 経済学部卒)南海電気鉄道株式会社会長 兼 CEO、立命館大学校友会会長
今の時代を一生懸命に生きることこそが、「働く」ということ。
今回からはじまる新コーナー「Rs be ambitious!」では、立命館大学を卒業し、
現在経済界をはじめ、さまざまなフィールドで活躍するOB・OGが在学生の皆さんに熱いメッセージを送ります!

記念すべき第一回目は、山中諄南海電気鉄道会長兼CEOにご登場いただき、
社会人として働くこと、立命館大学で学ぶことの意義などについてお話を伺いました。
(2008年4月25日掲載)

高校時代はスポーツと疎遠であったことから、大学入学後は体育会の活動をしようと決めており、入学と同時にヨット部に入部しました。合宿と練習漬けの毎日で、大学にいるよりも、琵琶湖の艇庫にいた時間の方が長かったですね。また、3回生になった頃、体育の百田丈二先生に電車の中でばったり出会い、「自転車競技部の建て直しを手伝ってくれないか」と言われました。ヨット部に事情を話して退部、自転車競技部の主務になり、部の再建に奔走しました。私はスポーツの選手としては大成しませんでしたが、部の中での人の管理や予算の管理など、主務としての力を発揮することができました。大学生活でも、もちろん社会に出ても同じですが、自分の力を出せる場所、というものが必ずあります。そういう場所を見つけ出すには、学生時代、大学内はもちろん、学外の様々なサークルや研修会等に積極的に参加し、多くの人に出会い、自分が成長できる機会を創ることが大切ですね。

 

人間は生を受け、成長するに従い「自分が生きる時代をいかに満足に生きるか」という欲求が出てきます。その欲求はその時代、その一瞬を一生懸命生きていく(働く)ことで充足されます。つまり、一人ひとりが感じる存在価値は、労働を核に形成されていると思います。

 

また「働く」ということは、壁にぶつかるということでもあります。私は過去、何度も会社を辞めたいと思いました。しかし、それほど深刻に悩んだことも、時間の経過とともに解消し、新たな課題に挑戦する意欲がわいてきました。どのような難題でも、努力と時間によって解決できるものです。そして、多くの壁を乗り越えれば乗り越えるほど、人として強くなることができるのです。

私が南海電気鉄道の社長時代、定年退職する社員に対して必ず投げかけていた質問は、「在職中で一番の思い出は何ですか?」というものです。そうすると、ほぼすべての人が楽しかった思い出ではなく、苦労して困難な仕事を克服した充実感を、思い出深く話してくれます。「働く」ということは、自分が困難だと思ったり、壁だと感じることを創意工夫し、ときには周囲に協力を仰ぎ、一生懸命努力する経験なのではないでしょうか。それは時にとても難しいことだと感じると思います。しかしその時代、その一瞬を精一杯生きることこそが、この社会で働くことの真の意味だと確信しています。

社長時代を含めた私の社会人生活を通じて、立命館大学の卒業生は粘り強く、諦めない人が多いという実感があります。これは立命館大学の一つの伝統だと言ってもいいと思います。粘り強さ、諦めない気持ちの強さは、社会に出てもとても大切なことです。それは困難な局面に遭遇しても、簡単に挫折せず、タフに乗り越えることが出来るからです。また、在学生の皆さんには「将来自分は何をしたいか」という明確な目標を持って、さまざまなことに打ち込んでほしいと思います。背中に「立命館」という看板を背負っていることを絶えず意識し、その看板に誇りを持って、勉学に、スポーツに、遊びにと、あらゆることをエンジョイしてもらいたいですね。そして、心から色々なことを相談できる友達を大学時代につくることも、大きな財産になります。一生の喜怒哀楽を共有できる友達を見つけてください。

 

現在、私は立命館大学校友会の会長をつとめています。皆さんも卒業後は、国内外の様々な分野で活躍されている約28万人の校友がいる校友会を是非ご活用いただきたいと思います。人間、一人では生きていけません。卒業後、何かで悩んだとき、挫折しそうになったとき、校友の輪の中で活動したいとき、校友会を一つのツールとして役立てて下さい。皆さんのご活躍をお祈りいたします。

 
取材・文/李 亘(法学部3回生)
立命館大学校友会とは?_ 立命館大学校友会は、立命館大学とその前身校の卒業生約28万人で構成され、卒業生各人の活躍と母校の発展を目的として、多様な事業を展開している団体。社会に出てからも、世代を超えてサポートし合う校友ネットワークは立命館の魅力の一つです。
卒業後のために、今から立命館大学校友会について知っておこう!
 
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