「Rs be ambitious!」山中諄氏(1965年 経済学部卒)南海電気鉄道株式会社会長 兼 CEO、立命館大学校友会会長
いつまでも自分を磨き続けることが、人間として成長する秘訣
立命館大学を卒業し、各界で活躍するOB・OGの社長や若手社会人が
在学生の皆さんにエールを送る「Rs be ambitious!」。
今回は、びわこ・くさつキャンパスでの卒業式・校友会入会式に出席された、
大和ハウス工業株式会社代表取締役社長の村上健治氏にお話を伺った。
ご自身の大学生活や、立命館に対する社会からのまなざし、在学生に対するメッセージなどを熱く語っていただいた。
(2008年5月12日掲載)

“大学でずっと机にかじりついて勉強をしていた”学生というよりも、よく遊んだ学生でしたね(笑)。特に当時の広小路キャンパス近くで仲間とよくマージャンをしていた記憶が強いです(笑)。しかしそれだけではなく、色々なジャンルの本を読みました。多くの作品を通じて、人の優しさや様々な価値観などを学び、それが自分の人生を考えるきっかけになりました。学内にとどまらず、多くの社会勉強をして、心豊かにたくましい学生生活を送ったという自覚があります。ただ、もう1年間学生生活を送れるならば、何となく毎日を過ごすのではなく、何か自分が打ち込めるものを見つけてそれを徹底してやりたいですね。例えば、私は写真が趣味なので、写真に没頭したいと思います。

 

最近の若い社会人の皆さんを見ていると、「一度自分の人生を真剣に考えたらどうなのかな?」と思うことが度々あります。とは言っても、私も人生を真剣に考えたのは、父を亡くしたときがはじめてでした。自分が長男ということもあり、この先、どんなふうに生きていけばよいかを真剣に考えました。

 

また、「打ち込みたいものが見つからない」という意見もよく耳にします。社会では、就職しても3年少しで辞めてしまう人が話題になっていますよね。彼らの気持ちもわからないわけではないんです。確かに仕事には向き不向きがあります。不向きだと思う場合、やはり向いている仕事を探したくなる。でも不向きな仕事にも、「仕事の味が分かる瞬間」というのが必ずあるのです。辞める前に、もう少し、努力を続けてほしい。続けていれば、「あ、この仕事も案外いいかも」と思うことだってあるんです。

私自身も、自分が営業を担当しているとき、「向いていないんじゃないか」と思うことが何度もありました。自分では普通に話しているつもりなのに「ぶっきらぼう」と言われたり、「どうして怒っているの?」と聞かれたりすることがありました。それに、当時は少々口下手だったんですね。そこで、まずははっきりと意思を伝えることから始めようと、腹から声を出す練習を車の中でやり続けていたら、次第にその成果が表れ始めました。つまり、口先だけの話術やうわべの表情だけでなく、「自分の言葉で誠意を伝えられる」ということを実感できたのです。必ずしも「営業だから口がうまくなければいけない」ことはなく、それぞれ一人ひとりが持っている個性が発揮できればいいのです。誰にでも可能性はあります。だからこそ簡単にあきらめず、まずは、我慢して今の仕事を続けてみてほしいと思います。

 

現在は社長職に就かせていただいておりますが、これまでの経験を振り返ってみると、仕事をしていて困難と感じることや、乗り越えなければならない壁というものは必ず生じてきます。そんなときに私にとって一番支えとなったのは、父親の姿です。父は、私の就職活動が成功するようにお経を100回も続けて唱えてくれました。そして、その後まもなく、急死してしまったのです。実際に私も息子が就職活動を行う際にやってみたのですが、2時間半ぐらいかかり、50~65回目あたりが特に辛かった。そのとき、ようやく父がしてくれたことの意味の大きさがわかりました。「自分のためにこんなに愛情を注いでくれていたのか」と思うと、もっと頑張らなくてはいけないと思えるようになってきました。この経験が、いつも困難に立ち向かう原動力になっています。

現在の立命館大学生は、私の在学していた時代とずいぶん変容したと思います。熱心に勉強し、学力もかなり向上している。そのため、社会でもかなり高い評価を受けています。弊社の新入社員にも立命館大学卒業生がいますが、非常に能力が高い。これだけ後輩たちががんばっていると、卒業生としては本当に嬉しいし、また、日々たくさんの勇気をもらっています。

 

でも気をつけなければいけないのは、立命館という看板にすがらないということ。大学名にぶらさがってしまうと、それ以上の成長はのぞめません。わたしは、人間は生涯自分を磨き続けなければいけないと思っています。形式的な地位だけでは、人生は良くならない。いくら大学時代にすごく頑張って立派な能力を身につけたとしても、そこで満足してしまっては、それ以上の成長は見込めません。大学時代に自分のやりたいことを見つけて頑張った人は、社会人になってからも、それ以上に頑張ってほしい。そうすれば、もっと、自分の可能性が広がるのだから。我慢して、努力して、向上し続けてください。周りの人に感謝しながら学力も人間力も磨き、世の中で活躍されるのを心からお待ちしております。

 
取材・文/林 祐太(経済学部4回生)
立命館大学校友会とは?_ 立命館大学校友会は、立命館大学とその前身校の卒業生約28万人で構成され、卒業生各人の活躍と母校の発展を目的として、多様な事業を展開している団体。社会に出てからも、世代を超えてサポートし合う校友ネットワークは立命館の魅力の一つです。
卒業後のために、今から立命館大学校友会について知っておこう!
 
Link 立命館大学校友会ホームページ
RS Webアンケート実施中