「Rs be ambitious!」五間岩ゆか さん(2001年政策科学部卒業)株式会社ホリプロ マネージメント第2事業部 プロダクション2部 グループリーダー
今という1分1秒を大切にして欲しい
立命館大学を卒業し、さまざまなフィールドで活躍するOB・OGが
在学生の皆さんに熱いメッセージを送る「Rs be ambitious!」
今回登場していただくのは株式会社ホリプロでチーフマネージャーとして活躍する五間岩ゆかさん。
芸術系短期大学を卒業後TBSラジオの情報キャスター、ベトナム留学を経て、帰国後立命館大学政策科学部の3年次に編入。
卒業後株式会社ホリプロに入社し、数々のタレントをプロデュースされています。
バイタリティ溢れる五間岩さんに仕事の魅力や学生時代の経験を伺いました。
(2008年5月26日掲載)

マネージャーという職業に就いたのは、なによりも人が好きなこと、そして立命館大学で学んだ政策=戦略の知識を活用できると考えたからです。
「マネージャー」は人間としての魅力を引き出す仕事、アーティストプロデューサーです。タレントの魅力をいかに世の中の人に知ってもらうか、出演する番組、番組でのタレントの役割、衣装など細かい部分まで戦略を立て、本人とも話し合って決めていきます。日々の仕事はとてもハードで辛いことが9割、うれしいことが1割と言っても言い過ぎではありません。でも、自分がしてきたことが結果に結びついたときや自分の担当しているタレントが番組で輝いている瞬間にすべての苦労が吹っ飛んでしまいます。またタレントはテレビや雑誌などメディアの活動が多いので、日本社会や歴史を動かす仕事だとも感じています。このような喜びが次の仕事を乗り越えていく力になるんです。これはマネージャーをやらなくては理解することができない魅力だと思います。

 

2年間の現場マネージャーを経て、今は複数のマネージャーを統括するグループリーダーとして仕事をしています。もちろん今もタレントの現場に足を運んでいますが、仕事の内容やスタイルが大きく変わったことで戸惑いもありました。でも、これまで以上に大きな戦略も立てられるようになりましたし、大事なことは忙しい中から「如何に何かを吸収していくか」だと思うようになりました。もっと自分の引き出しの数を増やしていきたいですし、1分1秒を大切に使いたい。時間をうまく使って勉強したいという思いも強くなりました。いつか「五間岩さんのようになりたい!」と思ってもらえるような誰かのお手本となりたいですね(笑)

ベトナム留学時代

ベトナムに留学している間にドイモイ(刷新)政策による社会変化を目の当たりにしました。
市場経済の導入でいままで日常生活において不便であったことが、目の前で便利になっていくことを肌で感じることで「政策」に対する関心を強く持つようになりました。日本に戻って大学で政策について学びたいと思い立命館大学に編入を決意。東京出身の私が関西の立命館を選んだ理由は、自分のやりたい勉強ができそうだった政策科学部があったことと親元を離れて自立したいという気持ちが強かったこと、立命館大学に通っていた友達から非常に教育が優れていると聞き、良いイメージを持っていたことです。

 

大学の授業では社会問題にどのように向き合うか、そしていかにして解決へとつなげるかということについての知識やスキルを身につけました。そこで感じたことは「何においてもまず政策が重要だ」ということです。この考え方は、タレントを売り込むために色んな角度から戦略を立てていくマネージャーの仕事でも大きく役に立っています。

 

政策科学部最優秀賞表彰式にて

 

立命館大学入学時に私は「絶対一番の研究をして、卒業する!」と目標を立てていました。そのため、大学生活は「ベトナムの文化及び自然遺産データベース」の作成に没頭する毎日でした。ベトナムには約900に及ぶ遺産が存在するのですが、保護政策がないために消滅の危機に瀕しています。そこで、ベトナムにおける遺産保護のために、データベースを作成して、ベトナム人への遺産保護に関する啓蒙活動に活用。あわせて、ベトナムの遺産の世界への宣伝活動をしてそれにより観光産業を育成。その利益を遺産の維持活動に当てることを提案しました。データベース作成のために水上生活者と一緒に生活したこともありました。在学中は研究のために、BKCと衣笠キャンパスを往復しながら現在APUで学長をされているモンテ・カセム先生や理工学部情報学科データベース研の池田秀人先生にお世話になりました。先生だけではなく、毎日泊まり込みで一緒に各々の研究を頑張ったデータベース研の仲間にもたくさんの刺激を受けました。そしてこの研究で政策科学部最優秀賞をいただけたことは、頑張れば身を結ぶという自信につながり、実際に頑張った姿を見ていてくれた大学や学部に対しても非常に感銘を受けました。そんな大学のためにも自分自身が卒業生として社会で頑張ることで恩返しがしたいと思っています。大げさではなくて、私、本当に立命館を背負って毎日仕事をしています!

データベース研時代の仲間と

マネージャーの仕事は一見華やかに見えますが、粘り強い交渉力や持久力などが求められるタフな仕事です。また扱う商品は物ではなく、タレントという人間です。時には厳しいことを言うし、言われもします。彼らとしっかりコミュニケーションをとることも重要です。いつも心身ともに健康であることが大事ですね。また、これは私が心がけていることですが、より良い仕事をするために、誰に対しても嘘をつかないようにしています。これは意外と難しいことなのですが、人と人との信頼関係がより良い仕事を運んでくるとこれまでの経験からも感じています。

 

この業界を目指す人がいれば、「マネージャーの職に就きたい」という気持ちを、「なぜマネージャーの職に就きたいのか?」に考えなおして、その問いに対する答えを突き詰めていってほしいと思います。考えていく中で、実際にマネージャーになったとき「どんな人をどのように作り上げていきたいのか」というイメージが具体的になります。

 

そして在学生のみなさんには小さくても、大きくてもいいので目標をもって1分1秒を大切に、いろんな経験をしてほしいです。立命館大学には、インターンシップや奨学金など学生をサポートしてくれる支援が数多くあるので、それらを大いに活用してほしいと思います。そのためにも、在学中・卒業後の目標をたてて、微調節しながら学生生活を送っていただきたいと思います。

 
[ユンソナさんと五間岩さんの共著『絆』(仮)がこの秋発売予定]
8年間、日本で女優・タレントとして活動してきたユンソナさんと、ともに歩んできたマネージャーの五間岩さんがこれまでを振りかえって語る共著『絆』(仮)が2008年秋に発売予定。五間岩さんが作り上げてきたマネジメント論や二人の仕事に向かう姿勢、日韓の差、信頼関係、仕事哲学を浮かび上がらせる内容です。目標を持っている人、夢に向かって頑張りたいけれど何をしたらいいのか分からないでいる人などに向けた二人の熱いエールが込められています。

 

Link 株式会社ホリプロ
[学生広報スタッフ取材後記]
今回の取材中、五間岩さんが語り手を担当された大手広告代理店の新人研修を見学させていただきました。そこにスペシャルゲストとしてユンソナさんが登場。マネージャーの存在について、「マネージャーの五間岩さんがいなければ、今の私はいないと思っています。五間岩さんがいなければ不安になりますし、私をプロデュースする土台を作ってくれて、私がいつでも動けるように準備をしてくれる、『道を提供してくれる存在』です。韓国と日本での仕事にギャップを感じ始めていたころに、出演を悩んでいる私に『私を信じて!かならずソナの次の仕事につなげるから!』と言ってくれたことを今でも覚えています。そして、実際にその言葉を実現してくれました。」と話されていました。
私はユンソナさんの言葉にタレントとマネージャーの信頼関係の強さを感じると同時に一つひとつの仕事を通じて積み上げてこられた絆に五間岩さんの人間としての魅力を感じました。私も就職し社会で働く時にはこんな信頼関係を築いていきたいなと思いました。
 
取材・文/久米田悠衣(文学部2回生)
立命館大学校友会とは?_ 立命館大学校友会は、立命館大学とその前身校の卒業生約28万人で構成され、卒業生各人の活躍と母校の発展を目的として、多様な事業を展開している団体。社会に出てからも、世代を超えてサポートし合う校友ネットワークは立命館の魅力の一つです。
卒業後のために、今から立命館大学校友会について知っておこう!
 
Link 立命館大学校友会ホームページ
RS Webアンケート実施中