「Rs be ambitious!」
西中顕吾氏(2000年 経営学部卒)住友商事株式会社 金融事業本部 M&A推進サポートチームアシスタントマネージャー
自分が心の底から楽しいと思えることを見つけてほしい
立命館大学を卒業し、さまざまなフィールドで活躍するOB・OGが
在学生の皆さんに熱いメッセージを送る「Rs be ambitious!」
今回登場していただくのは住友商事株式会社で
M&A推進サポートチームアシスタントマネージャーとして活躍されている西中顕吾さん。
そんな西中さんに学生生活の過ごし方や現在の仕事の魅力などを伺いました。
(2008年6月25日掲載)
NYの他商社友人とコロラドへスキー旅行

私は現在、金融物流部門の金融事業本部に所属し、M&A推進サポートチームという全社横断プロジェクトチームで働いています。住友商事には8つの事業部門があり、大変広い分野においてビジネスを展開しており、昔はトレードが主体でしたが、近年ではM&A等の投資ビジネスを加速しています。私のチームは、M&A等において、投資先企業のバリュエーションや買収交渉など様々な面でのアドバイザーとして仕事をしています。

 

会社を買収するときには、実際の現場に行き直接交渉すること等も数多くあります。この業務では、交渉相手が会社の経営者であることが多く、若い頃から「経営者の視点で物事を考えることができる」という点が特に刺激的ですし、勉強にもなります。他社の方と交渉するときには厳しい交渉になることもありますが、良い緊張感を持ちながらも交渉を成功させることは、やり甲斐とともに楽しさも感じています。

 

みなさんは一般的にM&Aと聞くと、華やかなイメージを思い浮かべるかもしれませんね。実際の作業は細かい数字や山のような書類の確認がベースとなっているんです。何においても、細かいことの積み重ねが大切だと実感していますし、当然、多忙なときもあります。しかし、細かいものの積み上げからビジネスの中身をひも解き、その情報を実際の交渉の現場で活かし、目的を達成したときの達成感は非常に大きいです。この一連の行為は、クラブ活動でひたすら基礎練習をして、試合で勝つという行為に似ている部分があり、いわば「趣味や部活の楽しさ」に似た部分があると思っています。

 

また、入社6年目、28歳のときにニューヨークの財務部門で1年半勤務するチャンスをもらいました。普段から海外企業と仕事をすることはありましたが、海外勤務をしたということが後々の自信になっただけでなく、文化に違いがあっても、行き着くところは「人対人」の関わりなので、とことん話し合えば何とかなるということを再確認できたことは大きな収穫でした。M&Aに必要なスキルは交渉術、財務、会計、労務、法律の知識、など多岐に渡ります。自分の知識・経験だけでできることには限界があるので、自分自身を高めるのは当然のことながら周りにいる人達の経験や知識を最大限に活用して仕事をするように心がけています。また、相手が持っている知識・経験を学ぶことで、+αのアイディアを生み出すこともできると考えています。「経済・経営は生き物」と仕事を通じ実感しており、今の業務で様々なケースを扱いながら経験を積み、状況に応じ柔軟且つ斬新な提案をしていきたいですね。まずはこのM&Aの世界で自分の実力を発揮していきたいです。

 

取引先とのホームパーティー

 

 
高校時代のホストファザーとニューハンプシャーで再会

大学に入学し最初の1年はスキー同好会に所属し、冬は4ヶ月間山にこもっていました。大学には経営を学ぶために入学したと常々考えていたので、初めからスキーは最初の1年だけと決めて活動しました。2回生になってからはアルバイトに打ち込む日々。パチンコ屋、料亭、居酒屋、スキーのインストラクター、学内のITスタッフなど様々なアルバイトをしました。単にお金を稼ぐというだけではなく、多くの人と会い、さまざまな価値観や考え方に触れながら働いたことは、良い経験になったと思います。常に「将来どのようなことが役に立つのか、自分は社会人になったらどういうことをしたいのか」ということを意識しながら働いていましたね。

 

特に社会に出てからのことを意識したのは、3回生のときに、ニューヨークの旅行会社でインターンシップをしたときです。航空券等のチケット予約業務だけでなく、旅行プランの企画、ホテルとの契約交渉のような仕事もしました。就職活動が終わってからは、人材派遣会社の経営に携わったりもしました。これらの経験を通じて、会社というものがどのような仕組みで成り立っているのかを、自分の目で確かめることができたことも、良い経験だったと思っています。

 

学生時代から実際に社会の中で働くという経験をできたことで、会社に入ってからも学生時代に想像していたものと意識とのギャップはありませんでした。将来経営者になるためにはどのような経験が必要なのか、という視点から行動していたことは今でも役に立っています。勉強面では学生時代に経営学部で経営論、会計学、経済学等についての基本的な知識を勉強しました。現在もまだ学んでいる途中ですが、今まで蓄積した知識は確実に現在の業務に生きているという感じがします。

 

まず就職活動をする前に、「自分はこれが好き・楽しい」と思えることを見つけて、仕事にすると良いと思います。「仕事は辛いものだ」、「趣味とは違う」という意見を持つ人もいるかと思いますが、社会に出れば一日の半分を仕事に費やします。ですから、自分が心の底から楽しいと思えること、頑張りたいと思えることを仕事にして欲しいなと思います。

 

自由な発想で、常日頃から自分が何をしたいのかを自分に問いかけてみて下さい。何もないところから「自分は何をやりたいのか」という問いの答えを見つけることは難しいことだと思います。だからこそ、大学時代は常に自分が何をやりたいのかを自問自答し、探し続けて欲しいですね。

 

社会に出て、働いている今でも、私は自分がこれから何をやりたいのかを突き詰めるように意識しています。それは言葉で説明できるも場合もあれば、そうでない場合もあります。自分のやりたいことを仕事にできたらすごく幸せなことだと思いますし、人から「頑張れ」と言われなくても自然とやる気が湧いてくるものだと思います。例えば世界で活躍したいと思ったとき、「私は英語ができないから」と最初からあきらめてしまうのではなく、まずは英語ができない原因や状況をどのようにしたらクリアできるのかを考えましょう。やる気と根性と、「英語がしゃべれなくてもなんとかしよう」という気概さえあれば、結果はおのずとついてくると思います。出来ないことに挑戦するのは大変なことだと思いますが、やはりそれを支えるのは「好きだ・楽しい」という気持ちだと思います。恐れることなく外部、そしてどんな人とでもコミュニケーションを取ろうという気持ちを持つことが、まずは第一歩であり、大切なことだと思います。国内、極端に言えば大学の中にも異文化に触れることのできる場面は数多くあると思うので、そのような場面に自ら向かうことで積極的なコミュニケーション能力を培うことができるのではないでしょうか。

 

立命館大学は、自由な校風を持ち、キャリアアドバイザーに代表されるような就職支援がすごく充実している印象があります。学生のみなさんには、うまく自分にあった活用方法を見つけてほしいですね。私は、社会で求められる力は一にも二にもコミュニケーション能力だと考えています。単に話す・聞くということだけでなく、相手の真意・本当に要求しているものを理解することがコミュニケーション能力だと思います。この能力の高い学生は、どんな場面にもすぐ適応できます。私は学生の頃、机上の理論より実践を重視して行動していましたが、実際に社会に出てみて思うことは、何よりも大学には専門的な知識を持った教授がいて、学ぶには絶好の場所だったと思います。今では、あの時もっと理論的なことを深く学んでおけば良かったと感じることもあります。さまざまな出会いや経験を大切にし、「将来のありたい自分」を意識しながら積極的な学生生活を送ってほしいと思います。

 
[学生広報スタッフ取材後記]
華やかなM&Aの世界で活躍する西中さんの口から「やる気・根性・気概」という言葉が出たことがすごく意外でした。私も自分の好きなこと、興味の向かう行方を常に意識しながら、日々の勉強や課外活動に励もうと思いました。
 
取材・文/土山由衣(法学部2回生)
立命館大学校友会とは?_ 立命館大学校友会は、立命館大学とその前身校の卒業生約28万人で構成され、卒業生各人の活躍と母校の発展を目的として、多様な事業を展開している団体。社会に出てからも、世代を超えてサポートし合う校友ネットワークは立命館の魅力の一つです。
卒業後のために、今から立命館大学校友会について知っておこう!
 
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