イマリツ #1 2009/5/20 バックナンバー
学生と本にまつわるエトセトラ
生協での書籍売り上げランキングTOP10[衣笠キャンパス] 生協での書籍売り上げランキングTOP10[BKC]
  • 2008年度ランキング (2008年4月~2009年3月)

    順位/書名/著者名(出版社)※教科書を除く
    1 最新最強のSPIクリア問題集 '10年度版
    成美堂出版編集部 (成美堂出版)
    2 公務員試験速攻の時事 平成20年度試験完全対応
    資格試験研究会 (実務教育出版)
    3 新傾向!SPI完全版 〔2010〕
    柳本新二 (高橋書店)
    4 ハリー・ポッターと死の秘宝
    J.K.ローリング (静山社)
    5 公務員試験速攻の時事 平成21年度試験完全対応
    資格試験研究会 (実務教育出版)
    6 絶対内定 2010
    杉村太郎 (ダイヤモンド社)
    7 ルポ貧困大国アメリカ
    堤未果 (岩波書店)
    8 就活のバカヤロー
    石渡嶺司 (光文社)
    9 これが本当のSPI 2だ! 2010年版
    SPIノートの会 (洋泉社)
    10 格差社会  
    橘木俊詔 (岩波書店)
  • 存心館ブック&サービス  松林耕司店長に聞きました「衣笠キャンパスの学生はどんな本を読んでいるの?」

    衣笠では、SPIなど各種試験対策の問題集や、『絶対内定2010』、『就活のバカヤロー』といった就活関連本の売り上げの多さが目立ちます。更には、昨今の世界同時不況も相まってか、『ルポ貧困大国アメリカ』、『格差社会』といった書籍もランクインしました。

     

    就活関連の書籍の売れ行きが多いのは例年の傾向ですね。小説よりは新書や問題集といった実用書を手に取る学生が多いです。小説においても、『鴨川ホルモ―』や『容疑者Xの献身』といった映画化やドラマ化で流行になった小説が売り上げの7割を占めています。

     

    近年、活字離れが叫ばれていますが、立命館大学生もその例外ではありません。生協が毎年行う学生生活実態調査の2008年の結果によると、1ヵ月の読書時間が0分と答えた学生が35.9%と3人に1人の割合。また、平均読書時間は27.3分で、これは全国平均の29.2分を下回ります。

     

    学生の活字離れは深刻です。最近はインターネットでの閲覧も増えて、1ヵ月の生活費に占める本代は、教科書を含めて自宅生・下宿生ともに2000円台です。特に下宿生は10年前に比べて約1700円も減っています。仕送り金額も10年前より約2万円減っていますので、仕方がないところもあるのですが・・・。

     

     

    こういった現状から、少しでも本を読んでもらえるよう、存心館ブック&サービスでは「読書マラソン」キャンペーンを行っています。これは学生がブックレビューを作成して、本を手に取るきっかけ作りをしようというもので、タスキを渡すように学生から学生へと呼びかけいきます。また、サークルや図書館、教授の方々と連携して、推薦図書やおススメ本の紹介も行っています。さらに、本を大切にするという意味で、産業社会学部自治会が行っている古本市にも協力しています。

     

    ノウハウ本で教養を得るのも大切ですが、時間のある学生時代だからこそ、考える機会を得られる本を読んでほしいと思います。私自身も、1ヵ月に10~15冊の本を読んでいます。手帳に『読みたい本リスト』を書き込み、1冊読んではリストに線を引いて消すようにしていますよ。

     

     

    どんな本にも、出会うタイミングがあり、その時しか読めないという本があります。あとではなくいま、その本を手に取ることで今の私があり、自分自身を形成してきたと思います。学生のみなさんには、そんな良い影響を受けられる本をぜひ探してほしいと思います。

     

    取材・文/大舘匠(法学部3回生)

 

  • 2008年度ランキング (2008年4月~2009年3月)

    順位/書名/著者名(出版社)※教科書を除く
    1 TOEIC test英単語スピードマスター
    成重寿 (Jリサーチ出版)
    2 TOEICテスト新公式問題集 vol.2
    Educational Testing (国際ビジネスコミュニケーション協会TOE)
    3 ハリー・ポッターと死の秘宝
    J.K.ローリング (静山社)
    4 新傾向!SPI完全版〔2010〕
    柳本新二 (高橋書店)
    5 ルポ貧困大国アメリカ
    堤未果 (岩波書店)
    6 最新最強のSPIクリア問題集 '10年度版
    成美堂出版編集部 (成美堂出版)
    7 容疑者Xの献身
    東野圭吾 (文藝春秋)
    8 新TOEICテスト620点攻略本
    パク・ドゥグ (旺文社)
    9 内定者はこう書いた!エントリーシート・履歴書・志望動機・自己PR完全〔'10年〕
    坂本直文 (高橋書店)
    10 就活のバカヤロー
    石渡嶺司 (光文社)
  • BKCリンクショップ 書籍担当者 山西尚子さんに聞きました「BKCの学生はどんな本を読んでいるの?」

    ランキングを見ると、学生のみなさんが英語について問題意識を持って取り組んでいたり、就職を考えるにあたり、社会情勢に関心を持っておられるのがわかりますね。

     

    また、ランキングには入っていないのですが「重力ピエロ」などの著者として有名な伊坂幸太郎さんの小説は学生に人気がありますね。街の書店よりは、大学生協内のほうが売れているような気がします。伊坂幸太郎は、若い世代の友情を描いたり、読者が「こうなってほしい」と思うような結末をラストに演出してくれる。そういう意味では裏切らない作品が多いと思います。また、2008年度は、東野圭吾さんの年といっても過言ではありませんでしたね。

     

    本格ミステリーから恋愛まで幅広いジャンルを書ける作家であり、またテレビドラマや映画との相乗効果もあって、学生から大人まで多くの人の支持を得ていたようです。

     

    女性作家では、村山由佳さんも人気がありましたね。生きていく上で大事にしたい「真っ直ぐで純粋な気持ち」を伝えるのがうまい作家で、男子学生も本を購入していく姿を目にしましたよ。

     

     

    また、J・Kローリングさんの「ハリーポッターシリーズ」は新刊が発売されるたびに、平均300冊ほどは売れています。年代を超えて、皆に愛される本だと言えますね。特に昨年7月に発売された「ハリーポッターと死の秘宝」は最終巻ということもあり、「これで最後」だと思うと寂しさも感じます。読者にも売り手である店側にとっても「大事にしたい本」だと言えるのではないでしょうか。

     

    これらを総合すると、学生はミステリーのスパイスが効いた本が好きな傾向にあるのではと思いますね。「純情・青春・率直さ」のなかにも現実には起こりえないような驚きを 求める。そのように感じました。学生のみなさんには、たとえリンクショップでなくても「本屋には通ってほしい」という気持ちがありますね。

     

    今はWEBで本が読める時代になってきていますが、紙媒体から得られる「深くて楽しい世界」を大切にしてほしいと思います。多読をするのではなく、まず本屋に行き、自分の感性を信じて、手にとった本に向き合ってもらいたいですね。

     

    リンクショップでは学生みなさんのステップアップをサポートする就職活動関係の本や語学書、そして教科書も揃えているので、ぜひ利用してもらいたいと思います。

     

    また不定期で1ヶ月に1度、リンクカフェテリアで「ブックカフェ」を開催しています。

     

    本の好きな人なら誰でも会に参加できます。また興味のある方は1度覗いてみて下さいね!

     

     

    ※「ブックカフェ」情報はリンクスクエア・ユニオンスクエアにポスターなどでお知らせしています!

     

    取材・文/犬塚直希(経済学部3回生)

  • イマリツ取材メンバーのココが知りたい!「なぜリンクショップでは漫画を販売しているの?」

    リンクショップに立ち寄ると、経済関係のコーナーに「ナニワ金融道」が置いてあります。生協の書店ではあまり見かけない「漫画」なのですが。なぜ漫画が置いてあるのだろうと疑問に思い、その理由についてお話を伺いました。

    山西さん:日本の金融関係のコーナーや不況時代に関連する本のひとつとして「ナニワ金融道」を置いています。著者の青木雄二さんが「お金の貸し借りとは何か」を深く描いているこの作品。今の日本の経済状況とリンクしている部分が多々あり、「読者が得られることが多いのでは」と思ったからです。また漫画は、難しい専門書を読む前の下準備をしてくれる役割を果たしています。ドストエフスキーの作品など、一見難しいと思い身構えてしまう本でも、最近出ている「マンガで読む文学」の類から、まずは漫画で全体をある程度把握し興味のある場合はじっくり元の文章を読んで入っていけばいいと思うんです。
    そういう意味で漫画というのは非常に有効なツールであると思いますね。

     

    取材・文/犬塚直希(経済学部3回生)

   
生協での書籍売り上げランキングTOP10[3キャンパス同形]
   

2008年度ランキング (2008年4月~2009年3月)

 
順位/書名/著者名(出版社)※教科書を除く
1 ハリー・ポッターと死の秘宝
J.K.ローリング (静山社)
2 新傾向!SPI完全版〔2010〕
柳本新二 (高橋書店)
3 公務員試験速攻の時事 平成20年度試験完全対応
資格試験研究会 (実務教育出版)
4 最新最強のSPIクリア問題集 '10年度版
成美堂出版編集部 (成美堂出版)
5 TOEIC test英単語スピードマスター
成重寿 (Jリサーチ出版)
6 TOEICテスト新公式問題集 vol.2
Educational Testing (国際ビジネスコミュニケーション協会TOE)
7 ルポ貧困大国アメリカ
堤未果 (岩波書店)
8 絶対内定 2010
杉村太郎 (ダイヤモンド社)
9 容疑者Xの献身
東野圭吾 (文藝春秋)
10 公務員試験速攻の時事 平成21年度試験完全対応
資格試験研究会 (実務教育出版)

衣笠・BKC・朱雀の3店舗合計のランキングでトップに立ったのは、昨年8月に出版され、今作品で完結となる『ハリー・ポッターと死の秘宝』です。1997年に第1作『ハリー・ポッターと賢者の石』が発表されて11年、その結末に注目が集まったようです。衣笠、BKCどちらの店舗でも1位にはなりませんでしたが、上位にランクインした結果だと思います。以下はSPI問題集や公務員試験対策本・TOEIC問題集などがランクインし、就活関連の書籍が上位に目立ちました。
(存心館ブック&サービス 松林耕司店長)

 
図書館での書籍貸出しランキングTOP10
2008年4月1日〜2009年3月31日
2008年度学部生・院生の貸出冊数の統計。館内利用は含まない。
外部資金による資料の進路就職コーナー、読楽コーナー(詳説、エッセイなど)およびAV資料は除いた
  • 衣笠図書館 貸出しランキング

    1 貧困の克服
    アマルティア・セン
    (集英社)
    2 詳説世界史 : 世界史B
    佐藤次高ほか
    (山川出版社)
    3 詳説日本史 : 日本史B
    石井進ほか
    (山川出版社)
    4 女性労働と企業社会
    熊沢誠
    (岩波書店)
    5 裁判員制度
    丸田隆
    (平凡社)
    6 刑法総論
    浅田和茂
    (成文堂)
    7 新編新しい社会 : 歴史
    五味文彦, 斎藤功, 高橋進ほか
    (東京書籍)
    8 憲法
    芦部信喜
    (岩波書店)
    9 労働ダンピング : 雇用の多様化の果てに
    中野麻美
    (岩波書店)
    10 詳説世界史 : 世界史B
    佐藤次高ほか
    (山川出版社)
  • BKCメディアライブラリー 貸出しランキング

    1 グローバリゼーションと戦争 : 宇宙と核の覇権めざすアメリカ
    藤岡惇
    (大月書店)
    2 スポーツで読むアジア
    平井肇
    (世界思想社)
    3 Economic development
    Michael P. Todaro, Stephen C. Smith
    (Pearson/Addison-Wesley)
    4 マンキュー経済学
    N.グレゴリー・マンキュー
    (東洋経済新報社)
    5 ERE経済学検定試験問題集2008年7月受験用
    経済法令研究会編
    (経済法令研究会)
    6 Basic econometrics
    Damodar N. Gujarati
    (international ed)
    7 アートを学ぼう = Invitation to art theory
    岡林洋, 大森淳史, 川田都樹子監修
    (ランダムハウス講談社)
    8 ミクロ経済学
    武隈愼一
    (新世社)
    9 会社と社会 : 比較経営学のすすめ
    日本比較経営学会編
    (文理閣)
    10 入門価格理論
    倉澤資成
    (日本評論社)
    10 EViewsによる計量経済学入門
    松浦克己, コリン・マッケンジー
  • BKCメディアセンター 貸出しランキング

    1 ボルハルト・ショアー現代有機化学問題の解き方
    N.E.Schore
    (化学同人)
    2 カラー生化学
    マシューズ, ホルダ, アハーン
    (西村書店)
    3 Essential細胞生物学
    Bruce Albertsほか
    (南江堂)
    4 例題で学ぶ材料力学
    西村尚編
    (丸善)
    5 詳解演習線形代数
    水田義弘
    (サイエンス社)
    6 詳解演習微分積分
    水田義弘
    (サイエンス社)
    7 アトキンス物理化学
    P.W.Atkins
    (東京化学同人)
    8 統計力学
    長岡洋介
    (岩波書店)
    9 大学演習熱学・統計力学
    久保亮五ほか
    (裳華房)
    10 熱・統計力学
    戸田盛和
    (岩波書店)
  • 図書館貸し出し ランキングから 立命館大生の 本の嗜好を分析!

    立命館大学図書館の2008年度1年間の本の貸し出しランキングから、「今」の立命館大生の図書の利用について読み取ります! 図書館サービス課・栗谷さんにお話を伺いました。

    4つの図書館のランキングを見ると、それぞれのキャンパスによって利用されている分野の違いはありますが、やはりシラバスに掲載されている図書(テキスト・参考書)の利用が圧倒的に多く、上位を占めています。
    大学の図書館ではシラバスに掲載されている図書や専門書だけではなく、教養を深めるような文庫・新書や語学書など様々な図書や雑誌を揃えていますが、学生のみなさんの利用の中心は、やはり講義に関係した図書のようですね。講義に関係する図書はもちろん、学生のみなさんが図書館の資料を通じて、時事問題や興味のある分野へと学びの幅を広げていってほしいと思います。

    図書館の今後の取り組みについて

    立命館大学図書館では、学生のみなさんによりよいサービスを提供するため、随時ホームページの内容を更新しています。
    2009年4月からは学生ライブラリースタッフによる「図書館へ行こう」が新しく始まりました。これは、図書館をよく利用する人はもちろん、図書館に堅苦しいイメージを持っている人にも図書館を利用してもらいたいという図書館サポートサイトで、学生ライブラリースタッフのみなさんが作成・更新しています。学生が毎月図書館に新しく到着した図書やテーマにそって集めた図書を紹介する「新着図書」や「今月の特集」など情報が満載です。
    ぜひみなさんもホームページをチェックしてくださいね。

    図書館ホームページ
    学生ライブラリースタッフ作成・更新のコンテンツ「図書館へ行こう」

4人の先生方に、「今」の立命館大学生に読んでもらいたいおすすめの本を紹介してもらいました。

文学部 
矢藤優子 先生
『ソロモンの指環―動物行動学入門』
コンラート ローレンツ
政策科学部
結城 祥 先生
『ブランド 価値の創造』
石井淳蔵
経済学部
大野 隆 先生
『調理場という戦場 -「コート・ドール」斉須政雄の仕事論』
斉須政雄
理工学部
安藤妙子先生
『そばかすの少年』
ジーン・ポーター

図書館の中で、カウンターに返却された本を書棚に戻すといった基本業務のほかにも、図書紹介プロジェクトやホームページの更新、館内のポスター作成といった図書館のサービス向上を目的とし、様々な活動を行っている学生ライブラリースタッフのみなさん。
みなさんと同じ立場である学生ライブラリースタッフのお2人に、おすすめの一冊を紹介してもらいました。

丸山 茜 さん
(文学部3回生)
『ノルウェイの森 上・下』
村上春樹
山田 亮 さん
(経営学部3回生)
『16歳の教科書』
7人の特別講義プロジェクト&モーニング編集部
 
 取材・文/犬塚直希(経済学部3回生)、大舘匠(法学部3回生)、橋本さくら(文学部3回生)、東田悠希(政策科学部3回生)