今回の大賞受賞を家族や周りの方もすごく喜んでくれました。私に「書く」ことの楽しさを教えてくれたのも、その「普通」ではない夢を応援し続けてくれたのも家族です。慣れない大学生活をせわしなく過ごしていたためか、全く作品を書けない時期もありました。けれども、友達の厳しくて優しい言葉のおかげで、自分の傲りや甘え、そして、こころの中に確かに息づいている「書きたい」気持ちに気がついて、そこからこの物語を書き始めたのです。今回の大賞受賞は私一人の力ではなく、家族や友達の支えがあったからだと感謝しています。実は今回の作品に登場する「河童」は私のことを支えてくれる人たちの優しさやあたたかさを象徴したものなのです。これをふまえて作品を読んでもらえばと思います。
一時はエッセイストを目指そうかと思った時期もありました。わたしには物語は書けないと思っていたのです。しかし、授賞式で審査員の方に「作品の読後感が良く、言葉に透明感がある」との講評をいただき、創作意欲に火がつきました。受賞後、すでに3~4作品も書いたくらいです。来年以降は「ゆきのまち幻想文学賞」の受賞者を対象にした長編部門にも挑戦するつもりです。また、将来は作家になれたらいいな、と思っています。そのためにも、大学生のうちはいろいろな経験を通して世界観を広げたいです。そして、いつかは日本語の作品だけでなく、外国語の作品にも挑戦してみたい、とも思います。春休みに異文化セミナーでスペインに行ったのですが、ホストファミリーや外国にいる友人にも、作品を読んでもらいたいです。
大切なのはたぶん、好きだと思うことにまっすぐ素直に進むこと。私にはその気持ちと周りの応援があったので、この賞をいただけたと思うのです。これからもたくさんの場所へ足を運び、友人や新しい出会いを大切にしながら、読んだ人のこころに幸せの気持ちがほんのり残るような、そんな物語を書くのが私の夢です。
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