輝いています、ときの人 #123 全日本学生カヌー選手権大会 カナディアン部門 シングル1000メートル 優勝 男子カヌー部 小梶孝行さん(経済学部4回生)、カヤック部門 シングル1000メートル 優勝 渡辺大規さん(経営学部2回生)
競い合い、支えあうから強くなれる
8月29日(金)~9月3日(水)にかけて石川県で行われた、全日本学生カヌー選手権大会。
その大会で男子カヌー部は、カヤック部門とカナディアン部門の両方で首位となり、
見事、総合優勝の快挙を成し遂げた。
今回は、総合優勝の立役者であるカナディアン部門のシングル1000メートルで優勝した小梶孝行さん(経済学部4回生)と、
カヤック部門のシングル1000メートルで優勝した渡辺大規さん(経営学部2回生)のお2人にインタビュー。
優勝に至るまでの道のりや、今後の目標についてお話をうかがった。
(2008年11月28日掲載)
Q

全日本学生カヌー選手権大会での総合優勝、おめでとうございます。栄光に輝くまでの道のりについて聞かせてください。

小梶

総合優勝はカヤック、カナディアン共にシングル、ペア、リレーの各種目の成績により決定するのですが、カナディアン部門の一番のライバルは、鹿屋体育大学でした。個人の能力と、チームの総合力の両方が高い強豪校です。本番では、自分たちのペースを崩さずに最後まで漕ごうと決め、終盤でペースを上げました。1000メートルのシングル、ペア、リレーが終わった時点では鹿屋体育大学に負けていたのですが、1万メートルで追い上げ、最終的には2点差で逆転優勝を達成しました。私にとって学生最後の大会だったので、喜びもひとしおでしたね。マネージャーもビデオ撮影や補食の準備など、選手を第一に考えて動いてくれました。それぞれの選手の努力はもちろん、陰で支えてくれる人たちがいたからこそ、満足のいく結果が残せたのだと思います。

渡辺

本番のレースを強く意識して、トレーニングの内容やコンディションの調整などを考え、大会に臨みました。カヤック部門では大正大学が、チームとしての力が強く、手ごわい相手でした。大会当日はシングルやペアなど、差をつけられるレース展開でしたが、上位を意識した試合を重ね、点数を稼ぎました。その結果、大差をつけて優勝することができました。カヤック部門は去年も優勝していたので、あまり緊張せず平常心で臨めたのも、この結果につながったのだと思います。カナディアンとカヤックの両部門で優勝したのは、カヌー部としても久しぶりの快挙なので、本当に嬉しかったですね。

 

※カヤックとカナディアンの違い
カナディアン→片方のひざを立てた姿勢で漕ぐ種目。パドルで、ひざを立てた側のサイドを漕ぐ。
カヤック→座った状態で漕ぐ種目。パドルでカヌーの両側を交互に漕ぐ。

 

 

 

Q

立命館大学カヌー部の強さを存分に発揮できた大会だったんですね。お二人がカヌーを始めたきっかけは、何ですか。

小梶

僕は高校からカヌーを始めました。最初は誰もカヌーに乗れないので、自分がいち早く乗ってタイムを出したい一心で練習しました。日々成長していく実感があり、面白かったですね。腰を痛めて練習ができない時期もあったのですが、他の部員に負けないためにも、回復後は自主練習に打ち込みました。より良い環境で練習がしたくて入部した立命館大学のカヌー部では、切磋琢磨できる仲間との出会いがありました。同期の森迫直樹くん(経営学部4回生)とは、1回生のころからのライバル。お互いに競い合い、刺激を受けてきました。また、主将の天野恵一くん(産業社会学部4回生)には、普段の練習でよく指導してもらいました。4回生となった今では、私も後輩をまとめて部を運営していく立場です。チームで勝つためにお互い指導しあい、みんなで成長するための仲間の大切さを、改めて感じています。充実した設備、お互いに刺激しあえるレベルの高い仲間、そして縁の下の力持ちとなって選手を支えてくれる人たちの存在が、立命館大学のカヌー部の魅力だと思います。

渡辺

僕は地元山梨のカヌークラブで小学4年生のときにカヌーを始めました。全くやったことのない水上スポーツが新鮮で、面白かったのを覚えています。中学生のころ、現在同じクラブでプレーしている大村尚澄さん(経営学部3回生)と出会いました。今でも何か悩んだときはアドバイスをもらえる、よき先輩です。昔から知っていて、頼れる先輩が同じチームの中にいることは、心強いですね。また、昨年の10月から今年の5月にかけて、日本代表チームの合宿に参加させていただきました。年の離れたベテランの方とともに生活して練習を重ね、精神的に強くなることができました。最近、力がつき、大会で良いタイムが出せるようになったのも、この合宿でレベルアップできたからだと感じています。また機会があれば参加させていただき、さらなるレベルアップを図りたいです。

 
Q

それでは最後に、今後の目標を教えてください。

小梶

まずは来年3月の海外派遣選手選考会を突破し、8月にカナダで行われる世界選手権に出ることが目標ですね。この世界選手権には、北京オリンピックに出場した選手も出場するので、世界の大舞台で自分の力がどれだけ通用するか挑戦してみたいです。将来は、ロンドンオリンピックに出場するのが目標です。日本代表に選ばれるには、2011年の世界選手権で6位以内に入るか、2012年のアジア地区最終予選会で優勝しないといけないので、今後も練習に励みたいです。

渡辺

私も小梶さんと同じく、来年の世界選手権を目指しています。北京オリンピックへの出場権をかけた、今年5月のアジア地区最終予選会で負けてしまったので、次のロンドンオリンピックには絶対出たいです。カヌーは大学から始める人もいますし、キャリアが短くても、しっかり練習すればその練習量が結果に素直に表れるスポーツだと思います。来年や再来年の全日本学生カヌー選手権大会での優勝を目指して、一緒に頑張る後輩が入ってきてくれると嬉しいですね。

 
取材・文/山元裕介(経営学部4回生)
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