輝いています、ときの人 #124 卓球部 全日本卓球学生選手権大会 シングルス優勝、ダブルス優勝 若宮三紗子さん(産業社会学部1回生)
「ダブルス優勝で本来の攻めのスタイルが復活! “勝ちたい”を貫き、手にした2冠の栄光」
10月9日から12日にかけて、全日本卓球学生選手権大会が開催された。
今回はその大会で卓球部の先輩である宇土弘恵さん(産業社会学部2回生)と組んだダブルスで優勝し、
更にはシングルスでも優勝を果たした若宮三紗子さん(産業社会学部1回生)にインタビュー。
全国大会での個人戦シングルス優勝は卓球部創部初の快挙!
そんな偉業を成し遂げた若宮さんに、試合の様子や、卓球というスポーツ、今後の目標についてお話を伺った。
(2008年12月5日掲載)
Q

全日本卓球学生選手権大会でのシングルス、ダブルスでの優勝、そして最優秀新人賞受賞おめでとうございます。それぞれ決勝までにどのような道のりがあったのですか?

若宮

この全日本卓球学生選手権大会には関西学生選手権で優勝していたことなどから、出場することができました。その他、国内の学生ランキングなども加味され、シングルスとダブルス両方でシード権を頂くことができ、2回戦から出場しました。実はこの大会に出場が決まってからは「思うように自分のプレーが築けない」状態が続いていたんです。そして不安が抜けきらないまま当日を迎えてしまいました。

 

特に2回戦で対戦した高森夕布選手(青山学院大学4回生)は初めて対戦する相手ということもあって、精神的につらい試合でした。卓球は、自分のプレースタイルを試合中どれだけ維持できるかが大きな勝敗のカギとなるスポーツです。相手が全くの初対戦者となれば、相手のプレースタイルをどう攻略するかに時間がかかりますし、相手は私のプレーを知っているという点でプレッシャーも加わり、自分のプレーができないなかで“なんとか勝てた"という試合でした。その後の対戦相手は他の試合で幾度か戦ったことのある顔馴染みの選手の方々だったので、自分のプレーに不安も抱えながら、勝ちたいという思いを胸に自分ペースの試合運びが出来たと思います。そしてシングルスは決勝に駒を進めることができました。

 

また、ダブルスはクラブの先輩である宇土弘恵さん(産業社会学部2回生)とペアを組みました。宇土さんとの練習はお互いの予定が合わず、大会が始まる直前の2日間だけ。しかし、宇土さんのことは高校生時代から知っており、互いのプレースタイルもよく知っている仲でした。調子の悪い私をも包み込んでくれる宇土さんの安定した強さに、私自身も安心して自分のプレーをすることができていたのだと思います。宇土さんのリーダーシップがなければダブルスで優勝することは出来なかったと感謝しています。このダブルスでの優勝で、気持ちが軽くなり、シングルスの決勝に気持ちを切り替えて臨むことができました。

 

 

 

Q

ダブルスでの勝因にはそうした宇土さんとの信頼関係があったんですね。気持ちを切り替えて臨まれた、シングルスの決勝はどのような試合展開だったのですか?

若宮

シングルス決勝の相手は山梨友理選手(淑徳大学3回生)。山梨選手とは10月上旬頃に開催された世界選手権の予選会でも対戦したばかりで、その予選会ではあっさりと負けてしまった相手でした。山梨選手とはこれまでも何度も対戦し、勝てることのほうが多かったのですが、予選会での敗北は自分の不調さをまさに、再認識するものでした。

 

しかし「決勝まで来れたのだから、不調なりに思いっきりプレーしよう」と割り切って戦ったこと、そして前日のダブルスでの優勝で気持ちが軽くなったことで、本来の強気のプレーを取り戻せた結果、4-0というスコアで優勝することができました。

 

大学生となり、初めて迎えた全日本学生選手権という試合で、卓球というスポーツが技量の面だけじゃなく、本当に人間の精神、心の部分で戦わなければならないという点を改めて考えさせられました。

 
Q

最後に今後の目標を教えてください。

若宮

まずは12月末頃に世界選手権大会の予選会があるので、この予選で自分のプレーをして、成績を残していきたいですね。そして来年に横浜で開催される世界卓球選手権大会への出場を目指して日々練習に励みたいと思います。

 

また卓球が私にとって生活の要であることは今後もかわりませんが、立命館大学の学生としても基礎的な学力はきちんと身につけ、4年間で卒業するということも大きな目標の一つです。卓球にはオフシーズンがありません。授業との両立は本当に厳しいですが、大学という場を通じて卓球に打ち込めるのも、部活の仲間や監督、学部の友人、そして家族の存在があってこそだと感じています。まだ1回生なので大学生としても色んなことを学び、経験したいという気持ちですね。そして卓球人としても、更に力強い自分のプレースタイルを構築していけるよう、頑張りたいと思います。

 
取材・文/李 利奈(国際関係学部3回生)
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