輝いています、ときの人 #136 環境ものづくりラボ「monolab」代表、学食チャリティプロジェクト実行委員会統括責任者 柳瀬 顕(やなせ・けん)さん(文学部3回生)、国際協力学生実行委員会「CheRits」副代表 小笠原千明(おがさわら・ちあき)さん(文学部3回生)
四川省・ミャンマー復興へ向けた学食チャリティーメニューの提供 ~普段の暮らしの中で、私たちにも何か出来ないか~
2008年5月、ミャンマーでサイクロンが、中国・四川省で大地震が発生し、大きな被害をもたらしました。
日本に暮らす学生である私たちに何かできることはないか。
立命館大学国際部所属の、国際協力学生実行委員会「CheRits」、留学生チューター「TISA」、
環境ものづくりラボ「monolab」の3団体が学食チャリティプロジェクト実行委員会を結成し、
衣笠・BKC両キャンパスの学食でチャリティーメニューの提供を実施しました。
メニューの売り上げの10%が、学校再建・教育復興支援の募金に充てられるこのプロジェクト。
今回は、学食チャリティプロジェクト実行委員会統括責任者の柳瀬顕さんと
衣笠キャンパス代表の小笠原千明さんに、お話を伺いました。
(2009年5月29日掲載)
Q

チャリティーメニューを提供することになったきっかけを教えて下さい。

柳瀬

ニュースで四川省の大地震を見て、6800棟もの小中学校が倒壊したと知りました。多くの幼い子ども達が被害にあったことに心を痛め、自分に何かできないかを考えたことがきっかけです。そこで、私の所属する「monolab」と、「CheRits」、「TISA」の3団体が集まり、「学生でも普段の生活の中で国際協力ができるような何かをしたい」という声から、学食のチャリティーメニューを考案することになりました。これらの3団体は本プロジェクト以前にも、2004年12月に発生したスマトラ島沖地震・インド洋大津波の災害復興支援[→リンク]などを通し交流があったことから、今回の活動につながりました。

小笠原

私もニュースでミャンマー、四川省の被害を知りました。私自身阪神淡路大震災を経験したこともあり、被害に遭った人たちのために国境を越えて、何かできないかと思ったのがきっかけです。

 

 

 

Q

学食チャリティープロジェクトを実施するにあたって、大切にしてきたこと、苦労などはありますか?

柳瀬

チャリティーメニューの提案は、私たち学生から声を上げたものです。単にお金を集めるということだけではなく、普段の生活の中でミャンマーや四川省の被害に関心を持ってもらう「意識啓発」を目的にプロジェクトを進めました。実際にメニューの提供を開始したのは2008年10月からであり、メディアでの報道も少しずつ減ってきていた頃。そのタイミングで開始した理由は、その国の料理を食べることで被害に関心を持ってもらい、この災害の風化を防ごうと考えたからです。ミャンマーや中国からの留学生に対し、母国でどんな料理がよく食べられているかなどについてアンケート調査を行いました。その中から学食のメニューとして提供できそうなものを選び、立命館生活協同組合にメニューの提案を行いました。

小笠原

苦労したことはBKCとの連携ですね。最初に両キャンパスで同じメニューの提供を行うと決めてプロジェクトを開始したものの、両キャンパス合同で会議を持つ回数を多くは取れず、連携を取るのが難しかったです。しかし、何度もコンセプトを確認し合い、ずれがないようにプロジェクトを進めることができました。小学校が実際に完成したら、子どもが通う姿を見てみたいですね。

Q

今回のプロジェクトを通して学んだこと、成長したことはありますか?

小笠原

改めて「伝え続けること」の大切さを学びました。災害の発生から時間が経過するにしたがって、メディアなどではあまり取り上げられなくなっていきます。しかし、サイクロン・大地震の復興には時間がかかるのです。多くの人に「復興はまだ終わっていない」ということを広く理解してもらうことは大切なことだと実感しました。

Q

最後に、在学生のみなさんへのメッセージをお願いします。

柳瀬

今回の学食チャリティープロジェクトは、大学や立命館生活協同組合、そして多くの学生のみなさんのご協力のもと、実施できたものです。最初は正直、このような大きなプロジェクトを実現できるのか不安でした。しかし、しっかりと構想を練り、諦めずに進めた結果、プロジェクトを実行に移すことができました。動くか動かないかで結果は変わってきます。ぜひチャレンジしてみようという気持ちを大切にして欲しいですね。

小笠原

今回、3団体で実行委員会を結成し、プロジェクトを進めました。「私たちに何ができるだろう」という共通の問題意識を持っていた私たちが集まることができたのは、「アンテナ」を張っていたからだと思います。日頃から周りの情報に敏感になることで、チャンスを掴んでほしいですね。現在では私たち「CheRits」のような学生団体も国際協力に携わる団体も多く、学生が国際協力に関わるハードルは低くなっています。ぜひ、関心を持った人は国際協力に関わって欲しいと思います。

※チャリティメニューの提供は2009年5月末で終了しました
Link 学食チャリティープロジェクト実行委員会ホームページ
Link Discovery Reserch Laboratry 環境ものづくりラボ「monolab」
Link 国際協力学生実行委員会「CheRits」
Link 留学生チューター(TISA)ホームページ#1
Link 留学生チューター(TISA)ホームページ#2
Link ボランティアフェスタ2009
  衣笠キャンパスでは、2009年6月10日(水)、11日(木)に「ボランティアフェスタ2009 ―今、学生に出来ること―」が行われます。ボランティア活動に興味をもたれた方は、足を運んでみてはいかがでしょうか。
Link ミャンマー・サイクロン/中国・大地震 学食プロジェクト募金贈呈式の様子はこちら
取材・文/土山由衣(法学部3回生)
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