輝いています、ときの人 #139 全日本学生選手権クリテリウム大会(自転車競技)優勝 自転車競技部 石井 愛(いしい・めぐみ)さん(経済学部2回生)
仲間の声援を力にして掴んだ初優勝!~世界へ向かって漕ぎだすペダル~
4月26日(土)に行われた全日本学生選手権クリテリウム大会(自転車競技)で、
7連覇を狙う鹿屋体育大学を退け、見事、初優勝に輝いた石井愛さん(経済学部2回生)。
優勝後のプレッシャーと戦いながら、その後も積極的に様々な自転車競技大会へ出場し、
世界へのステップとなる夏のインターカレッジでの優勝を目指している。
今回は、初優勝を成し遂げた時の気持ちや試合の展開、今後の目標などについて石井さんからお話を伺った。
(2009年6月19日掲載)
Q

初優勝おめでとうございます。まず、自転車競技のルールと、競技をはじめたきっかけについて教えていただけますか?

石井

自転車競技はいろいろとありますが、今回出場した「全日本学生選手権クリテリウム大会」という種目は、主に大学の周りの約2kmのコースを7周走ります。短距離・平地であり、コーナーやカーブも多いコースです。通常はポイント制なのですが、女子の場合は、大抵、最終的に1番でゴールに入った選手が優勝というルールになっています。

 

身近な父と兄が自転車競技をしていたこともあり、私も小学生の頃から試合に参加していました。その頃は「ただ何となく・・」という気持ちでしたが、中学生の時に、高校の部活動で活躍する兄の姿に憧れて、本格的にやっていこうという気持ちが芽生え、自転車競技部のある高校に入学する決心をし、そのまま大学でも競技を続けています。

 

 

 

Q

では、ライバルの鹿屋体育大学の選手を破り、初優勝を掴み取った当日の試合展開、またその時の気持ちなどを教えてください。

石井

スタートした時は先頭集団についていこうと思いました。
当日は雨が降り、地面が滑りやすかったこともあり、レース2周目あたりで他の選手が落車をしました。この落車をきっかけに、「カーブはゆっくり走ろう」という雰囲気が競技者全体を包みました。カーブに苦手意識を持っていた私にとってはそれが有利に働きました。

 

ただ周を回っているうちに、肉体的にもきつくなってきたときに見えたのが、必死に応援してくれているチームメイトの顔。

 

私の中で「この声援に応えらなければいけない。ここで頑張らなければ」という強い気持ちが湧き上がってきました。最終的に勝つことができたのは、やはり気持ちの面の変化が大きかったと思いますし、練習量では鹿屋体育大学に引けをとっていた私にとって、この声援が一番の力となりました。ゴール直前500mでギアを重くし、必死にペダルを漕ぎ、ゴール前で1番を走っていた選手を抜くことができました。

 

まさか自分が一番になれるなんて思っていなかったのでその瞬間は嬉しいという気持ちよりも驚きの方が強かったですね。まさか去年の優勝者に勝てるなんて思ってもみませんでしたから。

Q

初優勝して、石井さん自身にどんな変化がありましたか? また、これからの目標も教えて下さい。

石井

優勝後は、今までと違うプレッシャーを感じるようになりました。タイトルホルダーである以上、「負けられない」「勝ち続けていかなくてはならない」という気持ちを強く持つようになりました。

 

新たに朝練を取り入れるなどして練習量を増やし、登りの時に使う「ダンシング」という苦手な漕ぎ方も克服しようとしています。また2006年に行われた第15回アジア競技大会サイクリング・女子ロードレースで優勝された、私の目標でもある萩原麻由子選手のように、私も世界の舞台に立ちたいと強く思います。

 

そのために、今夏、静岡の修善寺で行われるインターカレッジで優勝を目指したいですね。そして、私が活躍することによって、もっと多くの人の目に「自転車競技」が目につくようになり、もっと日本でも普及してくれれば嬉しいです。

 

私にとっての自転車競技は「生活の一部」です。私の中でこれが欠けていたら違和感を持ちますし、これがあるから今の自分がいる。生きていくうえでの良い目標となっています。 

Link 2009年度 全日本学生選手権クリテリウム大会(自転車競技)の記事
取材・文/犬塚直希(経済学部3回生)
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