輝いています、ときの人 #140 情報理工学部プロジェクト団体「Ri-ONE」部門長 西出恭平(にしで・きょうへい)さん(情報理工学部3回生)、レスキューシミュレーション プロジェクトリーダー 大月勇人(おおつき・ゆうと)さん(情報理工学部3回生)
知識を駆使して世界に挑む!! RoboCupの魅力を多くの人に伝えたい
6月29日~7月5日まで、オーストリアで開催される「RoboCup」の世界大会に出場が決まった、
情報理工学部プロジェクト団体「Ri-one」。
人工知能やロボット技術を災害救助に活かすレスキューリーグ部門に出場し、世界に挑む傍ら、
これまで培った技術を積極的に地域での体験授業で紹介するなど、活動は幅広い。
今回、部門長の西出恭平さん(情報理工学部3回生)と
レスキューシミュレーション プロジェクトリーダーの大月勇人さん(情報理工学部3回生)に、
「Ri-one」での活動や、世界大会に向けた取り組み、地域活動についてのお話を伺った。
(2009年6月26日掲載)
Q

世界大会への出場おめでとうございます! まず情報理工学部プロジェクト団体「Ri-one」について教えてください。

西出

Ri-oneは、情報理工学部プロジェクト団体の3つの部門のうちの1つの団体で「RoboCup」というプロジェクトに参加しています。私たちには「RoboCupの大会で優勝すること」「RoboCupのことを多くの人に知ってもらうための広報活動」の2つを目標にし、また正課で学んだものを活動に取り入れていくことも重要視しています。

大月

「RoboCup」は、「2050年までに、サッカーの世界チャンピオンチームに勝てる自律型のロボットチームを作る」ことを最終目標にし、様々なプロジェクトを行っています。
このイベントの一環として行われる、「Japen Open」や世界大会には、ロボカップサッカーリーグ(自分で考えて動く自律思考型と呼ばれるロボットを使ったサッカー対戦を行う)レスキューリーグ(実際の災害救助にも活かせるプログラムを作成して技術を競う)など様々なリーグがあります。
どちらのリーグも、実際のロボットを使って行われる「実機リーグ」と、コンピューター上の仮想空間で行われる「シミュレーションリーグ」が行われます。Ri-oneでは、その中の「レスキューシミュレーション」と「2Dサッカーシミュレーション」の2つに参加しています。

 

 

 

Q

次に世界大会出場が決定するまでの経緯について、お話をお願いします。

西出

世界大会は6月29日から7月5日までオーストリアのグラーツで行われます。
予選は2009年の2月から3月にかけて行われました。世界大会の運営委員会に、論文とプログラムを提出し、選ばれたチームが大会に出場できます。英語での論文課題でしたが、3回生と2回生の7名で構成されたレスキューシミュレーションチームメンバーのほとんどが、これまで正式な論文を書いた経験もなかったので、全員で取り組みました。
とても大変でしたね。でも、その分、世界大会出場の知らせを聞いた時は飛び上がって喜ぶほど、うれしかったです。

大月

僕たちが世界大会で出場するのは、レスキューシミュレーションリーグの部門です。
これは、コンピューター上に現実の災害現場そのものを作り、人を助ける救急隊、火を消す消防隊、瓦礫などで通れなくなった道を直す道路啓開隊の3種類の隊の動きがポイントとなって競われるものです。3つの隊がうまく連携し、最高の救助戦略が行えるようなプログラム開発を目指しています。

 
Q

世界大会に向けての課題やチームとして心がけている事はありますか?

大月

普段の活動では、レスキューシミュレーションのプロジェクトリーダーとして、チーム全体をまとめることを常に考えていました。仲間の作業の進み具合や性格を考えて、遅れがちな人にはサポートをし、士気が下がっている人には元気をだしてもらうよう心がけています。また、チーム全体のまとまりが大事だと思うので、チーム内での情報共有は徹底していますね。

西出

また、世界大会を目前にした、今年の5月に「Japan Open」という大会に参加しました。
結果、レスキューシミュレーションは2位、2Dサッカーシミュレーションは3位でしたが、昨年、世界大会で敗北したチームに連敗したことがすごく心残りです。
今回の失敗で多くの課題が見つかったので、世界大会に向けて修正していきたいです。

Q

地域での交流にも積極的に関わっておられるとお聞きしましたが、実際にどのような活動をされていますか?また学んだことはありますか?

西出

私たちは立命館小学校や志津南小学校でRoboCupの簡単な体験学習を行っています。
「機械がどのように考えるのか」を感じてもらうために、実際にコンピューター上で、人工知能対人間のサッカーシミュレーションについて、小学生のみなさんに体験してもらうんです。しかし、地域での活動を行うのは簡単なことではありません。シミュレーションを体験してもらうには特殊なパソコン環境が必要となり、事前の準備や当日の設営など、色々と大変な面もありますね。

大月

生徒のみなさんに、楽しかったと言ってもらえるのがとても嬉しいですね。ただ、体験したサッカーシミュレーションがただのゲームではないと言葉で伝えるのはかなり難しいんです。うまく伝わるような説明をこれからも心がけていきたいと思います。

Q

最後に、今後の目標を教えてください。

西出

3回生の僕たちにとって、今回の世界大会は最後の大会なんです。もちろん優勝を目指したいですね!また、世界中から集まった優秀な方々に出会えるチャンスなので、他のチームの良いところを吸収していきたいと思います。Ri-oneでの経験は何事にも変えられない大学生活の宝物です。

大月

私も、もちろん世界大会優勝が目標なのですが、悔いのないように頑張りたいと思います。Ri-oneの活動を通して、世界大会を狙えるほどの仲間と出会えたのは本当に最高だと思います!

取材・文/山本志歩(経済学部3回生)
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