輝いています、ときの人 #150 世界コーオプ教育学会に参加 高津佐知子(たかす・さちこ)さん(社会学研究科2回生)、池本尚吾(いけもと・しょうご)さん(文学部4回生)
世界で認められた「仲間と作り上げた成果」

今年6月にカナダのバンクーバーで、16回目となる世界コーオプ教育学会

(WACE:World Association for Cooperative Education)の世界大会が開催された。
これはコーオプ教育(産学連携による長期インターンシップ)やWIL(Work Integrated Learning)に関する
国際的な教育学会で、大学生として初めて、立命館大学の学生4名のグループが研究発表を行った。
今回は、この学会に参加したグループを代表して高津佐知子さん(社会学研究科2回生)と
池本尚吾さん(文学部4回生)にお話を伺った。

(2009年10月30日掲載)
Q

世界コーオプ教育学会(WACE:World Association for Cooperative Education)とはどのような学会なのですか。また、この学会に参加するにいたった経緯を教えてください。

高津

世界コーオプ教育学会は、企業や組織との産学連携によるインターンシップをどのように位置づけしていけば学校の授業と連携していけるかについて考えていく学会です。私達が今回参加することになったきっかけは、授業の1つである「コーオプ演習」を受けていたことです。「コーオプ演習」とは、企業から与えられた課題に院生をリーダーとするグループで取り組んでいく授業で、私達のグループは「女性マネージャー育成における包括的提案」というテーマを研究してきました。その成果が認められ、コーオプ演習の担当教員教授であった加藤敏明・共通教育推進機構教授から本学会について教えていただいて、参加の運びとなりました。また、発表に際し、廣瀬幸弘・共通教育推進機構教授には、発表原稿の英文内容や国際学会でのプレゼンテーション手法についていろいろとアドバイスしていただきました。

 

 

 

Q

当日の会場の雰囲気と、実際に発表された時の感想を教えて下さい。

池本

私は外国へ行くこと自体が初めてだった上に、このような学会で発表させてもらうということで、とても緊張していました。会場の雰囲気も今までに感じたことのないようなものでした。今回は、発表や質疑応答も全て英語だったので最初はとても不安でしたが、発表前に全員で何度も質疑応答のシミュレーションをし、英語を話せるメンバーに発音をチェックしてもらいながら練習を繰り返しました。その甲斐もあって、当日の発表や質疑応答でも質問された事にスムーズに答えることが出来ました。

高津

これまでに国内の学会に参加したことはありましたが、学会での発表は初めてでした。会場では、日本とは雰囲気がかなり違うなと感じました。学会の最中にはフリードリンクや軽食が提供され、廊下ではオークションが開催されるなど賑やかです。それから、私達の発表を聞いた周囲の方、特にアジア地域の方々が驚いていたことが印象に残っています。アジアの中では先進国である日本でさえ、女性の管理職が少ないということが意外だったようです。

Q

世界コーオプ教育学会では学生賞を受賞されましたね。受賞した時の感想と学会での発表を通して感じた事を教えてください。

池本

本学会では、これまで日本人の大学生が発表したことがなかったので、この「学生賞」はこの学会に参加し、学生自身が発表したことに対して与えられた賞だと思います。私たちにとっては、賞を頂いたことよりこの1年間、メンバーが一丸となって1つの研究に没頭し、その成果を発表できたことが嬉しかったです。

 

また、何度も繰り返される意見交換の中で自分の意見を積極的に言えるようになりましたし、今まで以上に様々なことにチャレンジする精神も身に付きました。この授業を通して関わった人たちに本当に感謝しています。

高津

大学の授業で私達のグループは、他のグループに比べると意見交換の時間が多く、社員アンケートや他社へのインタビュー調査も積極的に行ってきました。その調査も大変でしたが、メンバーがそれぞれ自分の意見を持っていたので、リーダーをしていた私は、みんなの意見を受け入れながら1つのものへと完成させていくことにも苦労しました。ですが、グループワークを通じて、色んな意見を聞き、みんなが理解・納得できるまで話し合うことで、より良いものができることを実感しました。今回の経験は本当に自分を大きく成長させてくれたと思います。

取材・文/木幡達也(経済学部3回生)
RS Webアンケート実施中