輝いています、ときの人 #151 学生市民団体 にわわ・くさつ 代表 加藤 拓(かとう・たく)さん(経営学部4回生)、副代表 國松勇斗(くにまつ・ゆうと)さん(経営学部4回生)
庭づくりを通じて目指す「地域とのつながり」
みなさんは、BKCのユニオンスクエア前とコアステーション裏に、「ゴーヤ」が植えられているのを知ってますか?
これはキャンパス内を緑化することで、利用者にとって過ごしやすい環境を作り出したいという想いを込め、
今年から始まった新たな取り組み「緑のカーテンプロジェクト」で
学生市民団体「にわわ・くさつ」が中心となり活動しています。
またメンバーは旧草津川の庭づくりなどの活動も積極的に行っています。
今回は代表の加藤拓さん(経営学部4回生)と副代表の國松勇斗さん(経営学部4回生)のお2人に、
普段の活動など、様々なお話を伺いました。
(2009年11月6日掲載)
Q

旧草津川の庭作りにずっと取り組まれているそうですが、どんな事をされているのか教えていただけますか?

加藤

2回生のプロジェクト研究の授業で何をやろうか考えていたときに、旧草津川に手入れをされていない土地があるのを知ったことがきっかけですね。また、訪れた時に1人の小学生が整備されていないその土地を見て「砂漠みたい」と言っていたのがとても印象に残りました。それなら「この空間をもっと活かせないだろうか」と思い、地域の人が交流できるスペースとして「地域の庭」を作ろうと考えました。そして、「庭づくりを通じて、地域のつながりをつくる」を僕たちの組織理念として、学生市民団体にわわ・くさつを立ち上げることになりました。実際に、滋賀県に整備プランを持っていきましたが、結局、土地を活用する許可が下りるまで半年ほどかかりましたね。

國松

初めは活動資金も知恵も全然無かったんです。1500m2の手つかずの土地をスコップを使って2人の力だけで耕そうと思っていたくらいですから。
試行錯誤の連続で、色々な種を撒いてみましたが、最終的に雨水だけでも育つような、あまり手のかからない植物(コスモスなど)を中心に育てていこうということになりました。

 

2008年の12月に東京で行われた全国大学生環境活動コンテストにて入賞することができ、そこで出会った他大学の学生たちと交流することで、自分たちの活動の問題点や取り組みの独自性などを再確認することが出来ました。また、立命館大学のベンチャービジネスコンテストなどにも参加し、社会起業家を目指していく中で起業家奨励の制度を活用し耕運機を購入しました。これまで1カ月かかっていたところが1日数時間で何倍もの敷地を耕せるようになり、活動能率がグンとあがりましたね。

 

だんだん庭らしくなってくると、周りを散歩していた方から「家で余った種を使って!」と種をいただいたり、子供たちと作業したり、自然と地域の方との交流も生まれてきました。

 

 

 

Q

学外での活動で、徐々に地域住民の方たちとの関係が出来あがってきたのですね。
では現在、BKCで取り組まれている「緑のカーテンプロジェクト」は一体どういったものなのですか?

加藤

BKCを緑化することにより、キャンパス利用者に過ごしやすい環境を提供していきたいと考えました。草津市が市民向けにゴーヤを利用した「緑のカーテン」を推進しているところだったので、僕たちも同じように利用することによって、一市民として学生と草津市を繋げられることが可能かもしれないと思いました。ゴーヤカーテンは葉陰も多く育ちやすく強いので、陽射しを遮る効果も高く、見た目も良いし実用的です。
またゴーヤだけでなく、周りにアサガオや、夕顔なども混ぜて景観を良くすることにも試みました。

國松

今はユニオンスクエア前とコアステーション裏に設置しています。今年は試験段階ということもあり、実際に体感できるほどの結果は得られなかったのですが、僕たち2人でもゴーヤカーテンを維持できることが分かりました。来年度以降、もっと大きな規模で取り組む必要性を感じています。室内の温度を下げたいのなら「窓ガラスを変えて工夫をすればいいのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、ゴーヤカーテンなら学生も関わることが出来ますし、身をもって環境を考えられるので面白いと思います。
今は育つ時期も終わりましたが、今後、ゴーヤがたくさんとれたら、生協さんと合同で学食にゴーヤチャンプルなどを提供したいという計画もありますね。

Q

学内でも自然を意識された活動を行っておられるのですね。今後の団体の目標を教えていただけますか?

加藤

団体として、これからも学生を含んだ地域の人が交流できる場所を提供できたらいいなと思っています。旧草津川で整備を進めている庭に遊歩道も整備ができれば、地域の方たちとの距離も縮まり、もっと散歩コースとしても利用してもらえると思いますね。活動を行っていくうえで人手もやはり必要ですが、たくさんの人より、1人の大きな志が大切だと思っているので人員も公には募集していません。僕たちの活動に自然なかたちで興味を持ってくれた人たちが増え、お互いに無理をしない範囲で手伝ってくれるようになれば嬉しいですね。

 
Q

では最後にお2人から、みなさんへメッセージをお願いします

加藤

一番は夢を持つことですね。どんな事でも好きなものをやり続けていく。
そして人との出会いを大切にしてほしいです。

國松

何をやるにしても、成果にこだわる視点が大切だと思います。成果を意識すればモチベーションも保てるので、目的意識をもって活動を頑張ってほしいですね。

2人が活動を行っているのは、BKC学生プリインキュベーションルーム。「BKC学生プリインキュベーションルーム」は、学生ベンチャーマインドの育成と、本学における大学発学生ベンチャー支援を目的として、2000年度にびわこ・くさつキャンパスのアクロスウィング5階に設置されました。この施設は、起業を志す学生・院生が、必要な知識や技術を習得し、また、学習実践を支援することを目的とし、無償で学生団体に貸与されています。
2010年度の入居の募集は今年の12月から行います。詳細や募集告知は学びステーションのホームページでご確認下さい。

Link 学びステーション
取材・文/犬塚直希(経済学部3回生)
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