輝いています、ときの人 #152 弓道部 女子主将 中村友紀(なかむら・ゆき)さん(産業社会学部4回生)
互いの“一本”を信じる心 部員全員で勝ち取った悲願の日本一
今年8月に開催された第57回全日本学生弓道選手権大会において、
立命館弓道部(女子)が団体戦で初の優勝を飾った。
また、大会出場校の中から「伝統たる日本の弓道技術を継承している大学」として、
射道優秀賞にも選ばれ、学生日本一の座との同時受賞という快挙を成し遂げた。
今回は、勝利を決める最後の“一本"を射止めた、弓道部女子主将の中村友紀さん(産業社会学部4回生)に
初優勝までの道のり、学生最後の試合となる「全日本女子王座決定戦」への意気込みや、今後の目標などを伺った。
(2009年11月13日掲載)
Q

全日本学生弓道選手権大会での初優勝、射道優秀賞の同時受賞おめでとうございます。大学日本一となった感想と、当日の試合の様子などを教えて下さい。

中村

4日間の大会期間の中で、女子団体戦は予選と決勝トーナメントの計2日間で行われました。予選試合においては、的中数上位8校に入っていたので、決勝トーナメントではシード権を得た上で、2回戦からの参戦となりました。3回戦では、男子が団体戦で負けた日本大学との対戦だったので、「何が何でも負けたくない」という気持ちが強かったです。しかし、気持ちが高ぶる中でも、一本一本の弓をひく時は心を落ち着かせ、常に自分たちのプレーに集中することを心がけました。これまで練習してきた自分たちの力を信じ、悔いのないように弓をひいた結果、決勝戦まで勝ち進むことが出来たと思います。

 

決勝戦(対愛媛大学 的中11対9で優勝)では、1回生の時に同大会で松山大学に負けて悔しい思いをしていたので、優勝を決める自分が放った弓が的中した時は、「遂にやった、勝つことが出来た」と思いました。この3年間、1回生の時に2位になった悔しさと、当時共に戦った先輩からの「全日本のタイトル、必ず獲ってね」というメッセージがずっと心の中にあったので、実際に学生日本一のタイトルを弓道部女子全員で勝ち取ったことは、本当に嬉しく思います。また、全日本という大きな大会において、初優勝とともに射道優秀賞にも選ばれたことは、立命館弓道部の弓道技術と、立命館が目指す弓道そのものが伝わったという事だと思うので、弓道部として大きな自信に繋がると思います。

 

 

 

Q

大会に臨むうえでキャプテンとして特に心がけたことはありますか?

中村

立命館弓道部は他のクラブと同様に、文武両道を目指しています。テスト期間中はテスト勉強を優先し、7月中旬から8月中旬ぐらいにかけて正規練習は一切しません。今回の大会では、オフシーズン中だったため、大会に向けて他のメンバーのテストスケジュールを把握し、出来るだけ多く合同練習日をつくりました。実際に試合に出場するメンバーは私を合わせて5名ですが、今年は女子部員全員が練習に集まった日もありました。これは、私が弓道部に所属してから初めてのことです。「弓道部女子全員の力で全日本のタイトルをとる」そんな雰囲気が部全体にあったように思います。

 

主将としては、常にメンバーとコミュニケーションをとったり、笑顔でいることを心がけていました。あとは、「弓道部のメンバーである以上は、部員全員に勝つ権利があるんだ」という事を私自身が思うと同時に、部員のみんなにも意識してもらいたいと思っていました。実際、弓道部に所属する人の技術レベルは様々ですし、全員が試合に出場出来るとはかぎりません。もちろん、部として技術的底上げも大切です。しかし、弓道においてはそれ以上にメンバーの気持ちを一つにすること、そしてメンバー間の信頼関係を築くことが、勝利に繋がると思います。

Q

主将としてチームをまとめ、お互いのプレーを信頼した結果の“全員勝利"だったのですね。本当に素晴らしいと思います。最後に、主将として最後の試合となる「全日本女子王座決定戦」への意気込みと、今後の目標を教えて下さい。

中村

女子王座決定戦は各地区リーグ戦の優勝校と全日本大会の優勝校のみが出場できる、より強豪校が集まる試合です。立命館は関西リーグ戦で破れ、実は今回、特別枠での出場となります。リーグ戦での敗北は、正直ショックでした。しかし、8月の大会での優勝で、少し気持ちが緩んでいるのではないか、という気づきを起こしてくれたものであると今ではプラスに考え、決定戦では本来の自分たちのプレーに集中したいと思います。泣いても笑っても私にとっては最後の試合となるので、悔いのないよう頑張りたいと思います。もちろん、狙うは王座制覇です!
そして大学卒業後も自分を表現できる趣味として、弓道を続けていく予定です。まずは、国体競技に挑戦していきたいですね。

Q

是非頑張ってください。応援しています。

取材・文/李 利奈(国際関係学部4回生)
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