課外自主活動で自分を磨く

Point 約750の課外自主活動団体に学生の半数以上が参加
Point 知識や技術を高めて、目標へ挑戦
Point 文武両道とチームワークで人間性を高める
Student's Voice

冷静な一手が、アマチュア日本一へのカギ

古屋皓介 さん(文学部3回生)
将棋研究会
第37回全国支部将棋対抗戦(個人戦)優勝
(2008年10月6日掲載)

今回優勝した全国支部将棋対抗戦の東西決戦に出るには、まず予選を勝ち抜かなければなりません。まず、私が出場した京都府予選では中高生から60、70歳の方まで、40人程が参加しました。次に4月に各都道府県単位の予選を勝ち抜いた代表選手による大会を東西で行い、それぞれの優勝者のみが東西決戦への出場が許されます。そして5月にある東西の個人優勝者による東西決戦で、優勝者が決定するんです。

今回の東西決戦までにも楽に勝てた試合は一つもなく、苦戦を繰り返しての優勝となりました。東西決戦では東日本代表の古賀一郎さんと戦いました。古賀さんとは研究会で対局したことはありましたが、公式戦で当たるのは初めてだったので勝つか、負けるか、まったく予想がつきませんでした。しかし、ここまで来たのだから決戦では勝ちたい!という気持ちで臨みました。強い気持ちは持ちつつも、あくまでも普段と同じく、欲は出さずに冷静に戦いました。自分のプレースタイルなどにもこだわらず、常にその場その場で一番良い手を考えていましたね。対局は最後の方まで相手が有利な状態で進んでいきましたが、あせらず試合に集中し、相手のわずかなミスを見逃さず、そこから形勢を逆転しました。

アマチュア一般大会での優勝は初めてで、本当に嬉しい限りです。1回生のときには、全日本アマチュア将棋名人戦で準優勝を収めたのですが、そこからのリベンジにもなりました。この準優勝から私の将棋に対する姿勢も変わっていき、真剣に将棋と向き合うようになったことが今回の優勝に繋がったのだと思います。

日ごろから対局のときに意識していることは、どんな局面でも一番良い手を指そうと考えること、自分の指す将棋に感情を出さないことですね。勝ちの局面では気がゆるみがちなのですが、決して楽に勝とうとは思わずに、常に一番良い手を考えています。また、2回生になってからはプロの方の研究会に参加させていただくこともあり、刺激を受けています。それまでは勢いで指すことが多かったのが、初手から考え、先を読み、合理的に指すことを学びました。それにより、次に「どんな手を指すか」という選択肢の幅が広がり、今では相手がどんな手を指してこようとそれに対応する引き出しを持っているという自信があります。普段は、将棋研究会の仲間とプロの将棋を研究したり、試合の先を読む精度を上げるための練習をしたりと、コツコツと努力しています。

もともと、一人で突きつめて考える事が好きだったので、私にとって将棋はとても魅力的でした。将棋のことは考えても、考えても飽きませんね。さらには決まった一つの答えというものがないので、常に真理を追い求めていく楽しさがありますね。合理的で、素晴らしい将棋の棋譜は、芸術的にも美しく感じます。卒業後はプロに進んでいくかは、まだ考えていません。しかし、立命館大学将棋研究会の先輩でもある加藤幸男さんのように、卒業後も将棋はずっと続けていきたいですね。加藤さんはプロではありませんが、アマチュアとしてプロの棋士とも公式戦で戦い、勝利を納めています。私自身も加藤さんのようにプロとも遜色のない戦いができるようになりたいと思います。また、美しい数学式を解くように、将棋の真理をずっと探究していきたいですね。

取材・文/中西由佳(国際関係学部2回生)

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